『錯誤配置 アジア本格リーグ1』(錯置体)

藍霄(藍霄)/ 訳・玉田誠

幻想的な謎? 不可能な犯罪? 科学先進国・台湾ミステリーの頂点がここに!

 精神科医でミステリー作家の藍霄(ランシャウ)が受け取ったメールは、周囲 の人間が突然自分のことを知らないと言いだす、奇怪な体験を訴えていた。王明億と 名乗る謎の差出人はさらに、自分は七年前の未解決密室殺人事件の犯人であり、それ には藍霄も関わっていた、と言う。数日後、発見された浮浪者の首切り死体が王明億 のものと判明、苦境に立たされた藍霄を救うべく、友人の秦博士と李君が事件解決に 乗り出す。幻想的な謎と強烈な不可能興味。台湾ミステリーの最前線をリードする、 鬼才の異形の本格ミステリー。

『二つの時計の謎 アジア本格リーグ2』(The Time for Dead)

チャッタワーラック(Jattawaalak) 訳・宇戸清治

同時刻に同一犯が三つの殺人? タイで文学賞に輝くハードボイルド警察小説

 モンコン男爵の放蕩息子チャクラが起こした傷害事件を調べるサマイ警部は、同じ夜 に発生した二つの事件に突き当たる。輸入品販売店の共同経営者の縊死、運河で発見 された娼婦の溺死死体。状況からチャクラの関与が疑われたが、現場で発見された二 つの時計は、同じ時刻、9時55分を指して止まっていた。三つの事件はいかに結びつく のか。醜聞を恐れる男爵の警察への圧力と、中国マフィアの不穏な動き。1932年、立 憲革命直前のバンコクを舞台に、〈タイのシャーロック・ホームズ〉サマイ警部と相 棒ラオーの活躍を描く本格ミステリー。