『優しい幽霊? ディミティおばさまと古代遺跡の謎』/Aunt Dimity Digs In

ナンシー・アサートン(Nancy Atherton)/鎌田三平・朝月千晶・訳

ランダムハウス講談社文庫/定価903円(税込)/11月10日発売/ISBN: 978-4-270-10327-2

村の果てに広がる何の変哲もない原っぱ。そこに一人の考古学者が現われ、古代遺跡を発見したからさあ大変。発掘をめぐり、村人は賛成派と反対派で一触即発の危機に。両者の板ばさみとなって頭を抱えるロリだったが、解決策は一つ。遺跡の秘密が記されているという古書を入手すること。そこでロリがディミティおばさまの力を借りて古書捜しに乗り出すと、思いがけず、村に眠っていた暗い過去まで呼び覚ましてしまい……!?

オムツ替えに離乳食作り——慣れない双子の世話で育児ノイローゼ気味の主人公が、村の命運を握るコージーミステリ・シリーズ第3弾。

『嘘をつく舌』/The Lying Tongue

アンドリュー・ウィルソン(Andrew Wilson)/高山祥子・訳

ランダムハウス講談社文庫/定価924円(税込)/11月10日発売/ISBN: 978-4-270-10328-9

ヴェネツィアを訪れた作家志望の青年アダムは偶然、老作家クレイスの身の回りの世話をすることになった。クレイスは40年前に1冊だけ大ベストセラーを書いたのちに筆を折り、この地で謎めいた隠遁生活を送っていた。片づけの最中、作家の書斎でアダムは不審な手紙に目を留めた。英国から送られたもので、恐喝めいた文章が綴られていた。あわよくばクレイスの伝記をものして世に出たいと考えたアダムは、手紙を頼りに老作家の過去を探り始める。だがそれは、思ってもみなかった悲劇の幕開けとなった!

パトリシア・ハイスミスの伝記でMWA賞を受賞した作家が初めて書いた長篇ミステリ。心理サスペンスの巨匠への極上のオマージュ!