『ダイエット・クラブ2 アイスクリームの受難』/Fit to Die

J・B・スタンリー(J.B.Stanley)/武藤崇恵 訳

ランダムハウス講談社文庫/定価798円(税込)/ISBN: 978-4-270-10338-8

ダイエットは明日から。

つまみ食いとミステリはやめられない。

そんな方にぜひともお薦めなのが、ダイエットと美食を応援するこのシリーズ。

図書館長ジェイムズをはじめとする、全員100キロオーバーのメンバーで結成されたダイエット・クラブ——その名も〈デブ・ファイブ〉が、悪戦苦闘しながらもダイエットと事件に挑むコージー・ミステリです。

ある日、町にアイスクリーム店がオープン。店の前には長蛇の列ができ、カラフルなアイスやサンデーを手にした客の笑顔であふれていました。ところが目と鼻の先にダイエット教室がオープンしたことから、商売敵同士、熱い火花をちらすことに。主人公ジェイムズも明日から始まる過酷なダイエットを前に最後のアイスを堪能します。そんな矢先、アイスクリーム店が火事で全焼! 火災原因に疑念を抱いたジェイムズは〈デブ・ファイブ〉の面々と真相を探ることに……。

『ニコラ警視の事件3 ロワイヤル通りの悪魔憑き』/Le Fantome de la rue Royale

ジャン・フランソワ・パロ(Jean-Francois Parot)/吉田恒雄 訳

ランダムハウス講談社文庫/定価966円(税込)/ISBN: 978-4-270-10339-5

AXNミステリーで今春、新エピソード放送(「王立警察ニコラ・ル・フロック」)!

大好評のフランス時代ミステリ・シリーズ第3弾。

1770年、パリの街は王太子とマリー・アントワネットの成婚を祝う花火大会で賑わいを見せていた。だが、人と馬車が入り乱れるなか、悲劇が起こる。花火が暴発し、大混乱の末多くの人々が死傷したのだ。使命感に駆られた警視ニコラは惨劇のなかに身を投じる。そして、ある女性の死体に目を留めた。死体がこの惨劇によるものではないと気づいたニコラは調査を進めるが、悪魔に取り憑かれた奇妙な一家に出会い……。

『古書の来歴』/People of the Book

ジェラルディン・ブルックス(Geraldine Brooks)/森嶋マリ 訳

まるで古書版CSI(科学捜査班)。古書を科学捜査することで一つ一つの物語がたちあがってくる。古書が記憶する500年の歴史! ミステリと歴史ロマンが結びついた秀作。——池上冬樹氏評

異端審問、焚書、迫害、紛争——運命に翻弄されながらも激動の歴史を生き抜いた1冊の美しい稀覯本と、それにまつわる人々の数奇な運命。ピューリッツァー賞作家が放つ傑作歴史ミステリ。

100年ものあいだ行方が知れなかった「サラエボ・ハガダー」が発見された——連絡を受けた古書鑑定家のハンナは、すぐさまサラエボに向かった。ハガダーは、ユダヤ教の「過越しの祭り」で使われるヘブライ語で祈りや詩篇が書かれた書。今回発見されたのは、実在する最古のハガダーで、中世スペインで作られたと伝えられていた。それが1894年に存在を確認されたのを最後に紛争で行方知れずになっていた。鑑定を行なったハンナは、羊皮紙のあいだに蝶の羽の欠片が挟まっていることに気づく。それを皮切りに、ハガダーは封印してきた歴史をひも解きはじめた……。