『螺旋』/EL PASO DE LA HELICE

サンティアーゴ・パハーレス(Santiago Pajares)/木村榮一・訳

「君にはトマス・マウドを見つけ出してもらいたい」出版社社長から大ベストセラー小説『螺旋』の作者を発見せよとの極秘指令を下された編集者ダビッド。彼は作家がいるとされる村に向かう。一方、麻薬依存症の青年フランは、盗んだバッグに入っていた『螺旋』を読み始めるのだが……。正体を明らかにしない謎の作家、トマス・マウドとは何者なのか? 二つのストーリーが交錯する時、驚くべき事実が明らかになる!

『犯罪小説家』/THE CRIME WRITER

グレッグ・ハーウィッツ(Gregg Hurwitz)/金子浩・訳

犯罪小説を書いてそれなりに成功している作家のアンドリューは、ある日なぜか病院で目が覚めた。そして突然、殺人犯になっていた——血まみれでこと切れている元婚約者ジュヌヴィエーヴの横で包丁を握ったまま、意識不明の状態で発見されたのだという。動かぬ証拠で有罪判決を受けたが、脳腫瘍の発作による一時的心神喪失状態にあったとして無罪放免になったアンドリュー。だが、記憶はないものの、自分が殺人をおかしたとはどうしても思えず、執筆取材でえた犯罪に関する知識や人脈を駆使して事件の真相を探りはじめるのだが……新サスペンスの帝王によるジェットコースター・サスペンス!

『忘れえぬ夏を捧げて』/A SUMMER TO REMEMBER

メアリ・バログ(Mary Balogh)/矢沢聖子・訳

ロンドンの社交界で放蕩者として知られる子爵キット。彼は父親が決めた婚約者との結婚を避けるため、自分で相手を探すことにした。そしてローレンという名の26歳の貴婦人に白羽の矢を立てる。かつて婚約のことで苦い経験をした彼女は、一生独身を貫く決意でいた。そんな彼女を口説くうちに、キットは相手に心底魅了され、やがて自分のもくろみを正直に打ち明ける。驚いたことに、ローレンはある条件をつけてキットの婚約者になりすますことに同意した。その条件とは、思い出に残るひと夏を過ごさせてくれること……。ヒストリカル・ロマンスの名手が詩情豊かに綴る愛の秀作。

『炎の山稜を越えて? アウトランダー19』/A BREATH OF SNOW AND ASHES

ダイアナ・ガバルドン(Diana Gabardon)/加藤洋子・訳

8月、ジェイミーのおばジョカスタの邸では、ボニー・プリンス・チャーリーの逃走を助けた“反乱”のヒロイン、フローラ・マクドナルドの一家の移住を祝う盛大なバーベキュー・パーティーが催されていた。英国の植民地政策を支持するフローラの演説を聞く人々を前にジェイミーの心境は複雑だった。まもなく、ここにいるほとんどの者たちと袂を分かつことになるかもしれないのだ。——とその最中、めずらしく取り乱したおばの姿が。ある男が訪れ、彼女の邸に隠された金塊の返還を求めたという。いったい何者なのか? そして、おばの身を案じ、邸にとどまったクレアたちの前に意外な人物が現れる……。

『月光の騎士の花嫁』/THE NIGHT DRIFTER

スーザン・キャロル(Susan Caroll)/富永和子・訳

若くして未亡人となった孤独な女性ロザリンド。古い知人を訪ね、ロンドンからコーンウォールへやってきた彼女は、ある夜、円卓の騎士ランスロット卿の幽霊と宿の物置で遭遇する。荒涼たる月に渦巻く霧、幼い頃から憧れてきたアーサー王伝説ゆかりの地で出会った魅力的な幽霊に彼女はたちまち心奪われるが、翌日彼に瓜ふたつの男と出くわして言葉を失う。それは顔は同じでも、紳士的なあの幽霊とは正反対の放蕩者——崖の上の古城に住む、不思議な力を持つと囁かれる一族の息子ランスだった。だがロザリンドは知る由もなかった。二人の男の秘密、そして自らを待ち受けるもう一つの伝説を……。ベストセラー作『魔法の夜に囚われて』に続く、魅惑のパラノーマル・ロマンス!