• アメリカのベストセラー・ランキング

    11月24日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

     

    1. 1. BLUE MOON    Stay

    Lee Child リー・チャイルド

  • ジャック・リーチャー・シリーズ第24作。グレイハウンド・バスに偶然乗り合わせた老人を救い、老人とその妻が高利貸しに苦しめられていることを知ったリーチャーは、やがて町を二分するウクライナ人とアルバニア人のギャング抗争に巻きこまれていく。

     

    1. 2. THE GUARDIANS    Stay

    John Grisham ジョン・グリシャム

  • フロリダで弁護士が射殺される事件が起こり、かつての依頼人だったミラーという若い黒人が逮捕される。ミラーは有罪判決を受けるが、その後も22年にわたって獄中から無実を訴えつづけていた。冤罪被害者の救済活動をおこなっている牧師にして弁護士であるカレン・ポストは、ミラーの支援に乗り出す。

     

    1. 3. THE STARLESS SEA    New!

    Erin Morgenstern エリン・モーゲンスターン

  • バーモントの大学院に通うザッカリー・エズラが偶然手にした本を開いてみると、不思議なことに自分の子ども時代の出来事が仔細に描かれていた。ミツバチ、鍵、剣という手がかりを得た彼は、秘密の扉の先にある秘密の地下図書館へと導かれてゆく。『夜のサーカス』の作者による長編ファンタジー第2弾。

     

    1. 4. WHERE THE CRAWDADS SING    Stay

    Delia Owens デリア・オーエンズ

  • 1950年代、ノースカロライナの田舎町。幼くして家族に捨てられた少女カイヤは、町の人々の偏見にさらされながら沼地に隠れ住んでいた。やがて、たくましさと繊細さを併せもつ美しい娘に成長し、ふたりの若者との交流によって心を開いていくが、町で殺人事件が発生し、疑いの目を向けられる。

     

    1. 5. THE NIGHT FIRE    Down

    Michael Connelly マイクル・コナリー

  • ハリー・ボッシュは亡き先輩刑事の遺した事件ファイルから、30年近く前の未解決殺人に関心を持ち、ロス市警のレネー・バラードに協力を頼む。その一方でバラードはホームレスがねぐらのテントで焼死した事件を追っていた。ハリー・ボッシュとレネー・バラードのコンビによる第2弾。

     

    1. 6. THE GIVER OF STARS    Up

    Jojo Moyes ジョジョ・モイーズ

  • 1930年代、アメリカ人と結婚したアリスは、英国での窮屈な人生から抜け出せるものと考えていたが、ケンタッキー州の小さな町へ移っても、結局は息の詰まる毎日がつづいた。しかしアリスは山奥まで馬で本を届ける巡回図書館員として働きはじめ、同僚の女性4人と友情をはぐくむようになる。実話にもとづく物語。

     

    1. 7. THE FAMILY UPSTAIRS    New!

    Lisa Jewell リサ・ジュエル

  • 25歳の誕生日を迎えたばかりのリビーのもとに、長く心待ちにしていた知らせが届く。両親の身元が判明したのだ。同時に、ロンドンの高級住宅街チェルシーにある邸宅を相続したリビーはその家に住むことになるが、その日を待っていたのは彼女だけではなかった。25年前、通報によって生後10カ月のリビーが保護された家では、大人3人の死体が発見され、その家の子どもたちが行方不明になっていた。

     

    1. 8. THE INSTITUTE    Stay

    Stephen King スティーヴン・キング

  • 侵入者に両親を殺され、真夜中に自宅から連れ去られた12歳の少年ルーク。目覚めると、きのうまで暮らした自分の部屋とそっくりだが窓のない部屋にいた。そこはある邪悪な目的をもった施設で、ルークのほかにも子どもたちが何人も集められていた。そしてその子たちに共通していたのは、全員がテレパシーやテレキネシスといった特殊能力をもっていることだった。

     

    1. 9. THE DUTCH HOUSE    Down

    Ann Patchett アン・パチェット

  • 瀟洒な屋敷〈ダッチハウス〉で何不自由なく暮らす二人の子供、姉ミーブと弟ダニー。あるとき継母がやってきて二人は屋敷から追われてしまう。それから数十年、つらい生活のなかで姉弟は分かちがたい絆で結ばれる一方、二度ともどれない家へと何度となく引き寄せられていく。家族の離散と過去への執着の物語。

     

    1. 10. OLIVE, AGAIN    Up

    Elizabeth Strout エリザベス・ストラウト

  • ピューリッツァー賞を受賞した『オリーヴ・キタリッジの生活』の続編。父の死を受け入れようとする少女。出産を控えた女。学生時代の秘めた恋を告白する看護師。遺産を相続したくない弁護士。小さな港町クロスビーに暮らす人々に、傍若無人な数学教師オリーヴがかかわっていく。

     

    【まとめ】

    1位、2位は先週と変わらず、今週は3位と7位に新作がランクインしました。3位初登場のエリン・モーゲンスターンは、世界で絶賛されたデビュー作『夜のサーカス』から8年ぶりの長編ファンタジー。7位のリサ・ジュエルは、英国発のダークな家族スリラー。本国では今年8月にリリースされており、読書SNSのGoodreadsではすでに7000を超えるレーティングを集めています。その他、トップテン外では、12位にメアリ・ヒギンズ・クラーク、15位にクライブ・カッスラーの新作がランクインしています。

     

     

    1. 吉井智津(よしい ちづ)

      翻訳者。訳書に、ナディア・ムラド『THE LAST GIRL―イスラム国に囚われ、闘い続ける女性の物語』(東洋館出版社)、アラベラ・カーター・ジョンソン『小さなモネ―アイリス・グレース―自閉症の少女と子猫の奇跡』(辰巳出版)など。