『寅申の刻』/The Monkey and the Tiger

ロバート・ファン・ヒューリック(著) /和爾 桃子(訳)

ISBN:978-4-15-001844-3/刊行日:2011/02/04

定価1,365円(税込)/ハヤカワ・ミステリ

ディー判事 最後の挨拶 長きにわたる犯科帳の最後を飾る2中篇

中国・唐代に宰相をつとめた狄仁傑は、その若き日に各地の知事を歴任し、その先々で名判事としての伝説を残した。その記録に感銘を受けた著者ヒューリックは、自らの作品に判事を探偵役で起用し、一連のシリーズを書き上げる。今日でも世界中で人気を博すディー判事シリーズの最後を飾る本書には中篇二作を収録する。一匹のテナガザルが残していった指輪を手掛かりに快刀乱麻の推理を披露する「通臂猿の朝」と、孤立無援の状況で田舎屋敷の怪事件を解決する「飛虎の夜」は、いずれも長篇作品にも勝る会心作である。【解説:三橋曉 エッセイ:福原義春】

『トゥルー・グリット』/True Grit

チャールズ・ポーティス(著)/漆原 敦子(訳

ISBN:978-4-15-041232-6/刊行日:2011/02/04

定価756円(税込)/ハヤカワ文庫NV

アメリカの国民的名作がアカデミー賞監督コーエン兄弟により映画化。父を殺された娘マッティが飲んだくれの保安官とともに復讐に挑む!

父を殺した卑劣漢にこの手で報いを受けさせてやる! 復讐を固く誓った14歳の少女マッティは、飲んだくれの保安官と誇り高きテキサス・レンジャーと共に荒野へと旅立つ。苦難に満ちたその道行きで試される本当の勇気と根性とは——。古き良きアメリカの魂を素朴なユーモアと熱い感動の調べにのせて謳い上げ、西部小説のジャンルを超えて読み継がれる不朽の名作が最新訳で登場!解説・石上三登志

『フランケンシュタイン 野望』/Dean Koontz’s Frankenstein Prodigal Son

ディーン・クーンツ(著) /奥村 章子(訳)

ISBN:978-4-15-041233-3/刊行日:2011/02/18

定価1,050円(税込)/ハヤカワ文庫NV

貴志祐介氏絶賛「クーンツは、フランケンシュタインの死体に命を吹き込み、新たな古典を創り出した」ハリウッドで大型映画化決定。巨匠の新シリーズ開幕!

天才科学者フランケンシュタインによって創造された怪物は、現在まで生き延び、デュカリオンと名乗っていた。一方、フランケンシュタインも命を長らえ、ヴィクター・ヘリオスの偽名のもと、人造人間である新人種による世界征服を企み、ニューオリンズで研究を進めていた。だが、そこで凄惨な連続殺人が発生、デュカリオン、ヴィクター、刑事カースンとマイクルの運命が交錯する。巨匠が入魂の筆致で描く新シリーズ、開幕!

『黒き水のうねり』/Black Water Rising

アッティカ・ロック(著)/高山 真由美(訳)

ISBN:978-4-15-179151-2/刊行日:2011/02/18

定価1,155円(税込)/ハヤカワ・ミステリ文庫

ジェイムズ・エルロイ、ジョージ・ペレケーノスらを唸らせた、アメリカの影を描き切る問題作!

妻の誕生日祝いに用意したナイトクルーズは、女性の悲鳴と銃声で悪夢に転じた。暗い川面から若い女性を救いあげたジェイは、それ以上の関わりを怖れ、彼女を警察署の前に放置して立ち去ってしまう。かつては公民権活動家で、当局の弾圧をも経験した彼にとって公権力とは恐怖そのものでしかなかったのだ。だが射殺死体が発見され、ジェイは否応なく事件の渦中へ……アメリカ社会の影を新人らしからぬ筆力で描くデビュー作