『ミステリーズ!』vol.48 AUGUST 2011

東京創元社(雑誌)/ 定価1260円(税込)/8月11日/ISBN: 978-4-488-03048-3

■この夏ミステリの基本に帰ってホームズを愉しんでみませんか? 「大特集 やっぱりシャーロック・ホームズ」■深町眞理子、加納一朗、真瀬もと、久世番子のエッセイ、北原尚彦、ダニエル・スタシャワー、田中啓文、三木笙子の小説、日暮雅通が贈るコラムで贈る■ファン待望の連載再開! 加藤実秋「こちら万来軒(×)探偵事務所」■創元SF短編賞佳作 高山羽根子本誌初登場。傑作読切「シキ零レイ零 ミドリ荘」■〈助産師探偵の事件簿〉シリーズ最新作 青井夏海「守ってください」■〈スクウェア〉シリーズ番外編登場。福田和代「スクランブル!」など

[大特集]やっぱりシャーロック・ホームズ

[小説]

北原尚彦 遅刻がちな荷馬車の事件

●日本屈指のシャーロッキアンが描く本格的なホームズ・パスティーシュ登場!

ダニエル・スタシャワー 第二の海軍条約事件 訳◎日暮雅通

●ホームズが出合った、もうひとつの「海軍条約事件」の謎

田中啓文 名探偵ヒトラー

●何とあのヒトラーはホームズマニアだった?! 世界の著名人シリーズ開幕。今回はヒトラー【前編】

三木笙子 何故、何故

●質屋に入った強盗が、逃げられないとみるや、奪った金に火をつけた!? 人気シリーズ新作

[エッセイ]

深町眞理子 贋作から〈正典〉へ

加納一朗 ホームズと巨大コロッケ

真瀬もと コックス銀行の書類箱

久世番子 サブタイトルだけ覚えてる。

『パーフェクト・ライフ』上下/A Perfect Life

マイク・スチュアート(Mike Stewart)/高澤真弓・訳

創元推理文庫/定価各903円(税込)/8月20日/ISBN:(上)978-4-488-26505-2(下)978-4-488-26506-9

自動車を奪われ、自宅に何者かが侵入し、受け持っていた女性患者は殺される──精神科医の卵スコットを突如襲う事件の数々。状況証拠が積み重なった結果、殺人の重要容疑者となり逃亡を余儀なくされた彼は、汚名をそそぐべく調査を開始する。彼に罪を着せ、執拗に追いつめていく悪意の持ち主の正体と目的は? 息を呑む展開の連続が興奮を呼ぶ、期待の精鋭によるサスペンス大作。解説=香山二三郎

『殺す』/Running Wild

J・G・バラード(J. G. Ballard)/山田順子・訳

創元SF文庫/定価各630円(税込)/8月20日/ISBN:978-4-488-62914-4

6月の土曜日の朝、ロンドンの超高級住宅地で住人32人が惨殺された。高い塀と監視カメラに守られた住宅地で、殺されたのはすべて大人。そして13人の子どもたちは何の手がかりも残さず、全員どこかへ消えていた。誘拐されたのか? 犯人はどこに? 2カ月後、内務省に事件の分析を命じられたドクター・グレヴィルは現場を訪れるうちにある結論に到達する。鬼才が描く現代の寓話。解説=柳下毅一郎

『ローマ帽子の謎【新訳版】』/The Roman Hat Mystery

エラリー・クイーン(Ellery Queen)/中村有希・訳

創元推理文庫/定価各987円(税込)/8月30日/ISBN:978-4-488-10436-8

新作劇〈ピストル騒動〉上演中のローマ劇場の客席で、弁護士のフィールド氏が何者かに毒殺された。現場から被害者のシルクハットが消えていたことを手がかりに、ニューヨーク市警きっての腕ききリチャード・クイーン警視と、その息子で推理小説作家のエラリー・クイーンのふたりが難事件に挑む! 本格ミステリの巨匠クイーンのデビュー作にして、“読者への挑戦状”を掲げた〈国名シリーズ〉第一弾の傑作長編。解説=有栖川有栖

『探偵術マニュアル』/The Manual of Detection

ジェデダイア・ベリー(Jedediah Berry)/黒原敏行・訳

創元推理文庫/定価651円(税込)/8月30日/ISBN:978-4-488-19754-4

雨が降り続ける名もない都市の〈探偵社〉に勤める記録員アンウィンは、ある朝急に探偵への昇格を命じられた。抗議のため上司の部屋を訪れるも、そこで彼の死体を発見してしまい、否応なく探偵として捜査を開始するはめに。だが時を同じくして都市随一の探偵が失踪、謎の女が依頼に訪れ……アンウィンは奇々怪々な事件の迷宮へと足を踏み入れる。ハメット賞受賞の驚異のデビュー作。

『贋作と共に去りぬ』/Feint of Art

ヘイリー・リンド(Hailey Lind)/岩田佳代子・訳

創元推理文庫/定価1239円(税込)/8月30日/ISBN:978-4-488-18104-8

世界的な贋作者である祖父に仕こまれたアニーは、本物そっくりの偽物を作る画家兼疑似塗装師。贋作作りの前科のために美術館での職を失い、サンフランシスコの美術業界では干されている。美術館キュレーターの元カレに呼び出され、古巣の美術館でカラヴァッジョの真贋を鑑定すると作品は贋作、殺人事件が起こり元カレは行方不明に。一方、真作の行方を探すアニーのもとにはハンサムな絵画泥棒が。スリリングなアートミステリ開幕。解説=藤原えりみ