『緋色の十字章』/Bruno, Chief of Police

マーティン・ウォーカー(Martin Walker)/山田久美子・訳

創元推理文庫/定価987円(税込)/11月11日/ISBN:978-4-488-27309-5

名物はフォアグラ、トリュフ、胡桃。人口三千人、風光明媚なフランスの小村で、のどかな村を揺るがす大事件が発生する。戦功十字章を授与された英雄である老人が、腹部を裂かれ、胸にナチスの鉤十字を刻まれて殺害されたのだ。村でただひとりの警官にして警察署長のブルーノは、平穏な村を取り戻すべく初めての殺人事件の捜査に挑む! 英国のベテランジャーナリストが心優しき警察署長の奮闘を描いた、清新な警察ミステリ。解説=吉野仁

『でぶじゃないの、骨太なだけ』/Big Boned

メグ・キャボット(Meg Cabot)/中村有希・訳

創元推理文庫/定価1050円(税込)/11月11日/ISBN:978-4-488-23204-7

わたしヘザー・ウェルズ。元アイドル歌手で、今は学生寮の副寮母。現在数学の補講の担当教授とお付き合い中よ。とはいえ、なんでわたしが朝からランニングをしてるの? わたしはね、でぶじゃないのよ、骨太なだけ。おまけにへとへとになって寮に出勤してみると、またしても殺人事件。いくら〈死の学生寮〉って呼び名を頂戴したからって、あんまりだわ。『プリンセス・ダイアリー』の著者の、オトナのための過激なミステリ第三弾。解説=坂木司

『水晶玉は嘘をつく?』/A Red Herring Without Mustard

アラン・ブラッドリー(Alan Bradley)/古賀弥生・訳

創元推理文庫/定価1365円(税込)/11月11日/ISBN:978-4-488-13604-8

ジプシーの占い師から、水晶玉に将来の姿が見えると言われたフレーヴィア。動揺のあまりちょっとしたアクシデントを起こしてジプシーのテントを炎上させてしまい、自宅の屋敷近くの林へ招待することに。その夜、屋敷に侵入した村の男を追い出したあとで、ジプシーに大変なことが起きているのを発見! CWAなど9冠受賞の化学大好き少女探偵シリーズ、ますます快調の第3弾! 解説=中村有希

『おやすみなさい、ホームズさん』上下/Good Night, Mr. Holmes

キャロル・ネルソン・ダグラス(Carole Nelson Douglas)/日暮雅通・訳

創元推理文庫/定価各987円(税込)/11月19日/ISBN:(上)978-4-488-22303-8(下)978-4-488-22304-5

職を失いロンドンの街をさまよっていたペネロピーは、ふとしたことからアイリーン・アドラーという美女と知りあい、生活をともにすることになる。彼女は女優にしてオペラ歌手、そしてときには探偵でもあった。そんなアイリーンが著名な宝石商から依頼されたマリー・アントワネットゆかりのダイヤモンド捜しから始まる、壮大な冒険の日々! 名探偵ホームズに敬意をいだかせた唯一無二の女性が主演する魅惑のシリーズ、ここに開幕。

『パラダイス・モーテル』/The Paradise Motel

エリック・マコーマック(Eric McCormack)/増田まもる・訳

創元ライブラリ/定価1050円(税込)/11月29日/ISBN:978-4-488-07069-4

長い三十年間の失踪の後に帰宅し、死の床に伏していた祖父が語ったのは、ある一家の奇怪で悲惨な事件だった。一家の四人の兄妹は、医者である父親に殺された母親のバラバラにされた体の一部を、父親自身の手でそれぞれの体に埋め込まれたという。四人のその後の驚きに満ちた人生とそれを語る人々のシュールでグロテスクな物語。ポストモダン小説を語る上で、欠くことのできない傑作。マコーマックの騙りの魔術の出発点。解説=柴田元幸