※おかげさまで満席となりました。キャンセル待ちをご希望のかたは、下記の専用アドレスまでご連絡ください。(1月14日追記)

伯爵「カーソン、カーソン、やあ、いま戻ったぞ。さすが正月の新宿は大変な人出だったよ」

執事「旦那さま、おかえりなさいませ。いかがでしたか、映画鑑賞は?」

伯爵「いやあ、生まれて初めて映画館で『寅さん』シリーズを観たんだがね……若い頃は敬遠していた寅さん映画、この年になって観ると泣けて泣けて……おまえも次の休みに観てくるといい。『男はつらいよ お帰り 寅さん』、かの有名なメロン事件のやりとりの見事なこと。うなったよ。ところで、カーソンはこの正月、なにやら熱心に本を読んでいたな」

執事「はい、旦那さま。私は夢中になってマイケル・オンダーチェの『戦下の淡き光』を読んでおりました。陶酔、という言葉がじつにふさわしい読書体験で、本を読み終えるのが惜しいと心底、思いました」

伯爵「おお、カーソン。それほどの傑作なら、読んでみるとするか。どんなストーリーなのかね?」

執事「『一九四五年、うちの両親は、犯罪者かもしれない男ふたりの手に僕らをゆだねて姿を消した』という一文で始まる、じつにミステリアスなストーリーでございまして。主人公ナサニエルと姉を置いて、両親が突然、おそらくは海外へと飛んでしまうのです」

伯爵「それはあれだな、突然の逃亡とくれば、行く先はレバノンだな」

執事「……」

伯爵「すまん、すまん。茶化すつもりはなかったんだ、カーソン。あれだろう、作者のマイケル・オンダーチェは『イギリス人の患者』でブッカー賞を受賞した作家だったな」

執事「はい、さらに2018年にイギリスのブッカー賞が設立50周年を迎えるのを記念して、歴代の受賞作から最優秀作品を選ぶファン投票をおこなったところ、その『イギリス人の患者』が最高位のゴールデン・ブッカー賞に輝いたのでございます」

伯爵「なるほど、それほどの作家の新作とくれば、期待が高まるというものだ! 次回の読書会の課題書にしようではないか」

執事「承りました。繊細で美しい訳文を紡がれた翻訳者の田栗美奈子氏にも、読書会にご臨席賜れるかどうか、ご都合をうかがってまいります」

伯爵「頼んだぞ、カーソン。もしご都合があえば、担当編集者と装丁家のお話もぜひうかがいたい」

執事「承りました(ハードル高っ!)。たしかに本書はわたくしが最近手にとった本のなかで、とびきり美しい装丁の本でございまして。カバーに触れたときの紙の感触もすばらしいのです。本年初の読書会、充実の会となることでしょう」

伯爵「よし、決まりだ! 胸が躍るな! レバノン逃亡劇の真実やいかに!」

執事「……」

……と、前置きが長くなりましたが、第14回南東京読書会を開催いたします。

 主人公の母親をはじめとした登場人物がこのうえなく魅力的に描かれている本書は、夢のような読書体験をお約束します。戦下の過酷な世界を描きながらも、まさに「淡き光」がストーリー全体を照らしだしているような本書の魅力について、みなさまのご感想をうかがえればうれしいです。

 当日は翻訳者の田栗美奈子氏、作品社の担当編集者、そして装丁家がゲストとしてご参加くださいます

開催日   2020年2月8日(土)
場 所   渋谷駅/表参道駅近くの会議室
      (お申し込みくださったかたに直接、連絡いたします)
時 間   14時開場 14時30分開始 16時30分終了
      (その後、懇親会の予定あり)
課題書   マイケル・オーダンチェ『戦下の淡き光』
      (田栗美奈子訳、作品社)
      かならず課題書を読了のうえ、ご参加ください。
参加費   500円(会場費など)
      当日、受付でお支払ください。

*飲み物が必要なかたはご自身でご用意願います。

参加方法
minamitokyo.dokusho@gmail.com まで下記のフォーマットにご記入のうえ、ご連絡ください。また終了後、近辺の店で懇親会を開催します(会費別途、4500円前後)。詳細は参加希望のかたにメールでお知らせします。こちらへの出欠もご記入ください。


お名前(ご本名フルネームまたは著訳書のペンネーム):
ご連先電話番号(できれば携帯番号):      
懇親会への参加:希望する/希望しない


定員になり次第、募集を締め切らせていただきます。

申し込み受付は、1月12日(日)20時に開始いたします。

南東京読書会世話人 栗木さつき 国弘喜美代(ツイッターアカウント@CholoKimiyo

後援 翻訳ミステリーシンジケート