前回の〈敵状偵察隊〉「スティーヴ・ハミルトンの『解錠師』は『×××』がモトネタでは?」という趣旨の文章を書いたところ、事務局の担当者から「次回の連載に“解答篇”をつけませんか?」という申し出があった。しかし、当初わたしは、そんなものを書く気はさらさらなかった。『解錠師』を読んだ人のすくなくとも二人に一人は、『×××』がなにかすぐにわかると思ったからだ。

ところが担当者は、「いや、気づいてる人はほとんどいないみたいですよ」と言う。え、それってマジ? だって『×××』といえば超名作だよ。『×××』抜きには60年代〜70年代のポップカルチャーは語れないといっても過言じゃないほどの重要作だよ。なのにみんな気づいてない? もちろん、発表当時から「ちょっと難解」と言われてきた作品ではあるけれど……あ、もしかして、みんなちゃんと読みこんでいないのか?

となれば、わたしとしても黙ってはいられない。『解錠師』と『×××』の類似点を詳しく指摘し、『×××』がさまざまな芸術分野にどれほど大きな影響をあたえたかを語らなければならない。

ということで、以下のリンク先に飛んでいただくと、「解答篇」を読める仕組みになっている(ちなみに、『解錠師』→『×××』の順に読んでも、ネタバレは発生しない)。

ただし、わたしもかつては『×××』の伝道師と呼ばれた男だ。タダで教える気はない。「解答篇」に飛んで、「え、こんな作品知らない」というヌケサクさんは、即刻『×××』を購入すること。「あ、オレ持ってるわ」というスカタン君は、物語をもっとしっかり読みこむこと。あと、映画版のほうもオススメだからね。廉価版のDVDも出てるよ。よろしく哀愁、郷ひろみ(←意味なし)

Yaguchi035.pdf 直

 上記リンクをクリックすると「解答篇」のPDFファイルが別窓でひらきます。

【特報】

矢口誠の敵状偵察隊・偵察任務#04『ミステリアス・ショーケース』篇は本日午後掲載! 乞ご期待。

矢口 誠 (やぐち まこと)

1962年生まれ。翻訳家・特撮映画研究家。光文社「ジャーロ」にて海外ミステリの書評を3年間担当。主訳書は『レイ・ハリーハウゼン大全』(河出書房新社刊)。最新訳書はアダム・ファウアー『心理学的にありえない』(文藝春秋)。好きな色は赤。好きなタイプの女性は沢井桂子(←誰も訊いてねぇーよ)。

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