2月3日に神楽坂で開かれました第2回東東京読書会のレポートをお届けします。

あれ、2月3日の読書会レポをいまごろ? と思われる方もいらっしゃるかと思います。はい、実は第2回読書会の直前から世話人が順番に体調を崩してしまいまして……。ちょうど今回レポを書ける世話人がもろもろ多忙な時期と重なったため、すっかりご報告が遅くなってしまったんですが、第1回に続き、第2回もとても楽しくにぎやかな会になりました。

当日は、キャンセル待ちだった方も含めて22名のみなさんにお集まりいただきました。受付後、早速2グループに分かれてディスカッション開始。今回はあいだに休憩を挟んで、前半後半45分〜50分ずつ、トータル100分ほどディスカッションを行い、その後、各グループからディスカッションの内容報告という形をとりました。前回はディスカッションの時間が短いというご意見をいただいたのですが、今回はおおむね満足していただけた様子でした。スタートしてまだ間もない東東京、今後も参加者のみなさんの声を生かして少しずつ改良を加えていきたいと思っています。

さて、第2回の課題はウィリアム・アイリッシュの『暁の死線』告知文にも書きましたとおり、本書は突っ込みどころ満載の作品。ディスカッションでも突っ込み、はいりましたよ〜。「タイムリミットと言っても主人公たちが決めたものなので切迫感がない」「短い時間にいろいろ起こりすぎ!」などの意見には、みなさんうなずいていらっしゃいました。

「タイトルからハードボイルドな内容を予想していたら、青春小説だったので驚いた」という感想も。たしかに。よかったところとして、この青春小説としての側面をあげる方、何人かいらっしゃいましたね。アイリッシュ作品では『幻の女』が一番の傑作として挙げられますが、『暁の死線』を支持するファンも多いです。この青春小説としての味わいが(特に読者の年齢などによって)強く訴えるものを持っているのかもしれません。

「戦時中(1944年)に書かれた話なのに、市民生活に戦争の影がなくて驚いた」とおっしゃる方も。そう言われると「(日本は)こんな国と戦争してたんだなあ」とあらためて思ったり。

稲葉明雄さんの翻訳については「古いんだけど、品がある」「古びてはいない」「(こういう)古い訳も残してほしい」という意見が出たのが印象的でした。

翻訳と言えば、当日はアイリッシュ研究の第一人者で翻訳も手がけていらっしゃる門野集さんに、途中からですがご参加いただきました。門野さんは生前の稲葉さんとご交流があり、「稲葉さんはアイリッシュの作品に対してアイリッシュ以上に本気だったのでは」など、貴重なお話をうかがうことができました。門野さんのご参加が確定したのが当日午後で、当初はおいでいただけない可能性もあったため、前もってメッセージを頂戴していました。このメッセージがとてもすてきで、参加者のみなさんにも配布したので、こちらはあした別途、掲載されることになりました。ぜひ、あしたもお読みになってみてくださいね。

そうそう、今回は参加費の特別割引条件「ニューヨーク発着のグレイハウンドバスに乗ったことがある」に該当する方がいらっしゃいました! パチパチ。該当者は今回初参加のYさんで、実際に乗車されたときのバスチケットもお持ちくださり、訪問された1970年代のニューヨークの様子などもディスカッション中に語っていただくことができました。

第2回東東京読書会の雰囲気、なんとなくおわかりいただけたでしょうか。今回は読書会そのものが初めてという方が7名。最後に実施したアンケートでは「1冊の本について、同じような感想があったり、正反対の感想があったりで面白かった」など、楽しかったというご感想を多数いただきました。もし「まだ読書会の参加はちょっと迷い中」という方がおいででしたら、第3回以降に気軽に申し込んでみてくださいね!

 二次会もほとんどの方がご参加くださって、課題書以外の話でも大いに盛りあがりました。終わり近くには「男から見たイケメンとは」なんて話題も出ていた模様。そういえば、翻訳ミステリーはいい男の宝庫。次回の課題作にもいい男……出てくるかも? 告知を期待してお待ちください!

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