去る4月13日に開催された翻訳ミステリー大賞授賞式のあと、いくつもの楽しい催しがおこなわれましたが、きょうはそのひとつ、出版社対抗ビブリオバトルの模様を簡単に紹介します。

 ビブリオバトルというとなんだかむずかしそうですが、ルールは簡単。プレゼンターが1冊の本の魅力を全員の前で語り、そのあとで全員から質問を受ける。これを何人かで繰り返し、「最も読みたくなった本」に全員が投票して、チャンプ本を決める。これだけです。ほかになんの準備も要りません。公式ルールはここにありますが、適当にアレンジしてかまわないことになっています。

 今回、プレゼンターとして参加したのは、翻訳ミステリーの版元4社(東京創元社、文藝春秋、早川書房、扶桑社)の熱血編集者たち。それぞれ多忙ななかで時間をかけて準備し、各社の近作一押し本について力いっぱい語ってくれました。

(写真左から、東京創元社の宮澤さん、文藝春秋の永嶋さん、早川書房の永野さん、扶桑社の吉田さん)

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 はじめての開催ということもあり、最初はプレゼンテーションも質問タイムもやや手探りの感じで進みましたが、しばらくすると、質問タイムに該当作訳者からの援護射撃があったり、翻訳者や書評家からの鋭いツッコミにプレゼンターが絶妙の切り返しを見せたり、一般参加者のかたからのあいつぐ質問やご要望にプレゼンターがていねいに答えたり、和気藹々としながらも作り手と読者の翻訳書への情熱が強く伝わってくる、このコンベンションならではの盛りあがりが感じられる時間となりました。

 各社が一押し本としてあげた作品は以下のとおりです。

東京創元社

『アーサー王の墓所の夢』(仮題) アリアナ・フランクリン著/吉澤康子訳 創元推理文庫 刊行時期未定

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文藝春秋

『クラッシャーズ 墜落事故調査班』(上・下) デイナ・ヘインズ著/芹澤恵訳 文春文庫 7月10日発売

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早川書房

“DEFENDING JACOB”(原題) ウィリアム・ランデイ著/東野さやか訳 ハヤカワ・ポケット・ミステリ 7月上旬発売予定

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扶桑社

『予期せぬ結末1 ミッドナイト・ブルー』 ジョン・コリア著/井上雅彦編/植草昌実他訳 扶桑社ミステリー文庫 5月2日発売

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 投票では、ただひとり会社の法被を着て参加した扶桑社の吉田さんが、その熱意を買われたのか、みごとに最多得票を集め、『予期せぬ結末1 ミッドナイト・ブルー』 が第1回出版社対抗ビブリオバトルのチャンプ本に選出されました。おめでとうございます。写真は審査委員長・田口俊樹から賞状を渡されたところです。

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 チャンプ本はもちろんのこと、他社の一押し本もそれぞれに魅力あふれる作品で、参加者のかたから多くの票を集めました。刊行された暁にはぜひ手にとってみてください。

 出版社ビブリオバトルは今年がはじめての試みでしたが、翻訳ミステリーを愛する参加者が一丸となって盛りあげてくださり、楽しい時間とすることができました。プレゼンターの編集者のみなさん、参加してくれたみなさん、ご協力ありがとうございました。

 最後に、この日配られた各社のバトル用資料と、今後刊行が予定されている隠し玉リストをここに一挙掲載します。ご自由にダウンロードして今後の読書の参考になさってください。

(ダウンロードの際は右側の矢印の所をクリックして保存してください)

東京創元社ビブリオバトル.pdf 直

東京創元社の隠し玉2013.pdf 直

文藝春秋ビブリオバトル.pdf 直

文藝春秋の隠し玉2013.pdf 直

早川書房ビブリオバトル.pdf 直

早川書房の隠し玉2013.pdf 直

扶桑社ビブリオバトル.pdf 直

扶桑社の隠し玉2013.pdf 直