『ミステリーズ!』vol.63 FEBRUARY 2014

東京創元社(雑誌)/定価1260円(税込)/2月13日/ISBN:978-4-488-03063-6

【東京創元社60周年記念連載】

「わたしと東京創元社」

辻 真先、紀田順一郎、宮部みゆき、法月綸太郎、大崎 梢、

近藤史恵、似鳥 鶏、深町眞理子、柳沢由実子、小木曽絢子

【読切短編】

アンドレアス・グルーバー 酒寄進一◎訳 amazon.jp

●自作のプロモーションのために、作家は妻とともに日本を訪れるが……

アンドレアス・グルーバー 酒寄進一◎訳 『信じてほしい、私はワトスン博士だ』!

●『夏を殺す少女』で人気急上昇の著者の、ホームズ・パスティーシュ

【エッセイ】

小林宏明 銃の細道──見る、読む、訳す GUNの世界 第十回

【ブックエッセイ】

和爾桃子 私はこれが訳したい One for Sorrow Mary Reed & Eric Mayer

【評論】

川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第十四回

『陪審員に死を』/The Jury Must Die

キャロル・オコンネル(Carol O’Connell)/務台夏子・訳

創元推理文庫/定価1365円(税込)/2月21日/ISBN:978-4-488-19514-4

完璧な美貌をもつ天才的なハッカーにしてニューヨーク市警の刑事、キャシー・マロリー。彼女の相棒ライカーは、重傷を負った後遺症で現在傷病休暇中だ。弟の清掃会社を代わりに経営し、警察に復帰する気がないかのような彼の態度にマロリーの苛立ちが募る。そしてジョアンナ・アポロ。ライカーの会社で働くその女性にはFBI捜査官がつきまとい、彼女に嫌がらせをしていた浮浪者は殺された。ライカーが心を寄せる彼女は何者なのか。訳者あとがき=務台夏子

『書物愛[海外篇]』/Amor Librorum

紀田順一郎・編

創元ライブラリ/定価1050円(税込)/2月28日/ISBN:978-4-488-07073-1

書物の魔力に取り憑かれた人々の、滑稽でもあり悲しくもある姿を描いた作品ばかりを、本の達人が選びに選び抜いて編んだ、傑作アンソロジー・海外篇。本好きを自負する人々であれば身につまされ、ビブリオマニアの何たるかをまだご存じない方々は、未知の世界に仰天すること間違いない、読書人必読の書。解説=紀田順一郎

【収録作品】

ギュスターヴ・フローベール「愛書狂」

アナトール・フランス「薪」

オクターヴ・ユザンフ「シジスモンの遺産」

ジョージ・ギッシング「クリストファスン」

M・R・ジェイムズ「ポインター氏の日記帳」

H・C・ベイリー「羊皮紙の穴」

シュテファン・ツヴァイク「目に見えないコレクション」

シュテファン・ツヴァイク「書痴メンデル」

マイケル・イネス「ロンバード卿の蔵書」

ジェイムズ・グールド・カズンズ「牧師の汚名」

『逆さの骨』/The Moon Tunnel

ジム・ケリー(Jim Kelly)/玉木亨・訳

創元推理文庫/定価1365円(税込)/2月28日/ISBN:978-4-488-27807-6

かつて捕虜収容所だった発掘現場で奇妙な骸骨が発見された。その男は脱出用と思われるトンネルを収容所に向かって這い進んでいたうえ、額を拳銃で打ち抜かれていたのだ。脱走兵にしては謎めいた殺害状況に、新聞記者ドライデンは調査を開始する。だが数日後、同じ現場で新たな死体を発見し……。過去と現在を繋ぐ謎の連鎖と緻密に張られた伏線が魅せる、英国本格ミステリの精華。解説=酒井貞道

『胸の火は消えず』/When Their Fire is not Quenched and Other Stories

メイ・シンクレア(May Sinclaire)/南條竹則・編訳

創元推理文庫(ホラー)/定価1323円(税込)/2月28日/ISBN:978-4-488-51302-3

不毛な愛の果てに、永遠に続く情欲の地獄に堕ちた女性の絶望を描く表題作。下宿人が出会った幼い子供の幽霊をめぐる、ある一家の物語「仲介者」。粗暴な男が雇い主の幽霊に取り憑かれる、不思議なジェントル・ゴースト・ストーリー「被害者」など本邦初訳作を含む11篇を収録。幽艶かつ繊細な筆致で怪談・心霊小説を書き続けた英国の女流作家の精髄を、日本オリジナル編集で贈る。

【収録作品】

「胸の火は消えず」

「形見の品」

「水晶の瑕」

「証拠の性質」

「死者が知っていたら」

「被害者」

「絶対者の発見」

「マハトマの物語」

「ジョーンズのカルマ」

「仲介者」

「希望荘」