みなさまこんにちは。いつもまったり読書会を行っている東東京読書会の世話人です。おかげさまで6回めが無事に終了いたしました。

 さて今回の課題書はキャロル・オコンネルの傑作『クリスマスに少女は還る』。600ページと長い作品だったこともあり、参加者が集まってくれるかしら……と世話人たちはちょっと不安だったのですが、蓋をあけてみれば、今回も20人近くの方に参加していただき、楽しい時間を過ごすことができました!

クリスマスも近いある日、2人の少女が失踪した。刑事ルージュの悪夢が蘇る。15年前に殺された双子の妹。だが、犯人は今も刑務所の中だ。まさか? 一方、少女たちは奇妙な地下室に監禁され、脱出の 時をうかがっていた……。一読するや衝撃と感動が走り、再読しては巧緻なプロットに唸る。『愛おしい骨』で「このミステリーがすごい!」第一位に輝いた著者が放つ超絶の問題作!

 今回は参加者をグループ分けをせずに、円形に椅子を配置して話し合う読書会スタイルにしてみました。最初に全員が自己紹介と簡単な感想を述べて、あとは意見があるひとが自由に発言する、というやり方です。

 課題書は1999年に刊行されたということもあり、今回が再読、もしくはそれ以上という方が多かったです。中には「ラストの衝撃は覚えているんだけど、話の中身はさっぱり覚えていなかった……」という方も。再読して印象が変わったというひともいれば、やっぱり何度読んでも魅力がいまいちよくわからないので、他の意見を聞きたいという方もいました。こういうことが遠慮なく聞けるのが読書会の醍醐味だと思います。

 主な意見を取り上げますと、登場人物の人間ドラマの描き方がうまい、という感想が多かったです。「事件の構造自体は特別複雑ではないと思うが、人物造形がとてもすぐれている」「群像劇的で登場人物みんなが怪しく見える」「いろんなキャラクターに焦点が当てられているので、海外の連続ドラマにしたらすごく面白いんじゃないか」などなど。

 また、今回はゲストとしてオコンネル作品を翻訳されている務台夏子さんがおいでくださり、ディスカッション中に参加者のみなさんからのご質問に答えていただきました。「『クリスマスに少女は還る』というタイトルは誰が考えたのですか?」という質問に関しては、「わたしもいくつか考えましたが、最後に担当編集者さんが考えてくれたものに決まりました」というお答えでした。(ちなみに現東京創元社社長だったりします)。他の感想や質問にも気さくに応じていただきました。務台さんもこの作品が大好きで非常に思い入れがあるということで、ご参加いただけてよかったです。また、当日お配りしたレジュメには、本書を課題書にしたことがある福岡読書会の駒月雅子さんと三角和代さんからのメッセージを頂戴しました。お二方ともありがとうございました!

 あと目立った意見としては、「少女たちの台詞や行動がすごく生き生きしていてよかった!」「野球のシーンなど、印象に残る場面がたくさんあった」「アーニー・パイルとか、脇役をここまで癖のある人物に描く必要があったのか?」「○○のシーンのここが正直わからないというか納得がいかないから誰か説明してください」など、マニアックというかそんな細かいところよく気づいたな! と感心するくらい深く読み込んでいる方がいらしたり、にぎやかなディスカッションになりました。あと、「ルージュの双子の妹スーザンの名前はヘブライ語で百合を意味するので、ルージュとスーザンは赤と白で対になっている」という発見もあり、みんなで「お〜」と納得する場面も。最後に書いていただいたアンケートでも、ディスカッション時間をもっと長くして欲しい! という意見が目立つくらいでした。本当に、あっという間に感じましたね〜。

 本会が終了したのちは近くの中華料理屋さんに移動し、こちらでもつきることのない本の話を……。みなさんが楽しんでくださったようで何よりです! 次も多くの方にいらしていただけるとうれしいです。初めての方も、リピーターさんも大歓迎です。どうぞ次回の告知をお楽しみに! 

東京創元社S

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 小柄な編集者。日々ミステリを中心に翻訳書の編集にいそしむ。好きな食べ物は駄菓子のラムネ。2匹のフェレット飼いです。TwitterID:@little_hs

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