アメリカのベストセラー・ランキング

7月20日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

1. INVISIBLE    Stay

James Patterson and David Ellis ジェイムズ・パタースン、デイヴィッド・エリス

ベストセラー作家パタースンがエドガー賞作家エリスとのタッグで送るスリラーの第3弾。一見無関係に思える数々の未解決事件。休職中の女性FBI分析官エミーが、その背後にひそむ連続殺人犯を追う。

2. THE SILKWORM    Up

Robert Galbraith ロバート・ガルブレイス

J・K・ローリングがガルブレイス名義で執筆する私立探偵コーモラン・ストライク・シリーズの第2作。ストライクが行方を追っていた作家が惨殺死体で発見される。講談社より2015年に刊行の予定あり。

3. TOP SECRET TWENTY-ONE    Down

Janet Evanovich  ジャネット・イヴァノヴィッチ

バウンティハンター、ステファニー・プラム・シリーズの第21作。今回ステファニーが捜すのは裏商売で儲ける中古車ディーラー。関係者が次々と殺害されるなか、謎多き先輩ハンターのレンジャーにも危険が迫る。

4. MR. MERCEDES    Stay

Stephen King スティーヴン・キング

中西部の町で1台のメルセデスが失業者の列につっこみ、8名の命を奪って逃走する。退職刑事のビル・ホッジスは“メルセデス・キラー” のさらなる犯行を阻止すべく立ちあがる。ハードボイルド3部作の第1作。文藝春秋より邦訳の予定があるとのこと。

5. THE CITY    New!

Dean Koontz ディーン・クーンツ

1960年代、クラブ歌手の母とともに、ジョーナ少年は祖父の住む街へやってきた。そこで自身のピアノの才に気づき、親友と出会う。老年に差し掛かったジョーナが、少年時代をすごした“街”での家族と友と音楽の記憶を語る。“クーンツによる現代のおとぎ話”とカーカス・レビューにある。

6. THE GOLDFINCH    Stay

Donna Tartt ドナ・タート

爆破事故で母を失った少年が過酷な運命に翻弄され、大人になるまでの物語。2014年ピューリッツァー賞(フィクション部門)を受賞、河出書房新社より2015年に邦訳出版が予定されている。

7. WRITTEN IN MY OWN HEART’S BLOOD    Down

Diana Gabaldon ダイアナ・ガバルドン

ヒストリカルロマンスのアウトランダー・シリーズ第8作。独立戦争中のフィラデルフィアと20世紀のスコットランドを舞台に、さらなる苦難に見舞われるフレイザー一家の姿を描く。

8. ALL FALL DOWN    Down

Jennifer Weiner ジェニファー・ウェイナー

『イン・ハー・シューズ』の作者による第11作。理想的に見える家庭生活の裏でストレスを抱える女性が鎮痛剤依存症におちいり、そこから立ち直ろうともがく姿を描く。

9. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE        Down

Anthony Doerr アンソニー・ドーア

フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年——第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集『シェル・コレクター』でデビューした著者の4年ぶりの新作長編。

10. THE VACATIONERS    Stay

Emma Straub エマ・ストラウブ

マンハッタンに住む熟年夫婦が、子どもや友人とともにマヨルカ島で2週間の休暇をすごす。やがてそれぞれが抱いた秘密や不満が明らかになり……。作者の長編小説第2作。各紙レビューで“ビーチにぴったりの1冊”と評されている。

【まとめ】

5位にディーン・クーンツの“THE CITY”が加わった以外、ほぼ変動はありませんでした。トップテン外では、11位にジョジョ・モイーズのラブストーリー“ONE PLUS ONE”が、12位にイアン・ドゥシャーのシェークスピアのスター・ウォーズ3部作の最後となる“WILLIAM SHAKESPEARE’S THE JEDI DOTH RETURN”が初登場しています。

先週の記事を受けて関連情報をお寄せいただきましたので、邦訳に関する事柄などをいくつか加えることができました。ありがとうございます。

ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラー・リスト(ハードカバー・フィクション部門)の最新情報を毎週月曜日にお伝えします。青木創、北田絵里子、満園真木、中谷友紀子、国弘喜美代の5名が週替わりで担当します。

国弘喜美代(くにひろ きみよ)

訳書はエラリー・クイーン『オランダ靴の秘密』、『アメリカ銃の秘密』(いずれも越前敏弥さんとの共訳)、マイケル・ハーグ『インフェルノ・デコーデッド』。中国語学科を卒業しています。大阪生まれ、愛知育ち、東京在住。