先日掲載された「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると」の最終回(オランダ・フランドル編)でも簡単に告知させていただきましたが、Twitterにて、フランスミステリのオールタイムベストを選出するアンケート企画「フランスミステリベスト100」を実施いたします!

※投票は本日(=2014年7月31日)の午後9時から受け付けます。詳しくは下記の実施要項をお読みください。

◆実施の経緯

 2014年5月末から6月半ばにかけて、Twitter上でミステリファンの松井和翠さん(@WasuiMatui2014)により「短編ミステリ・オールタイムベストアンケート」が実施され、ミステリファンの間で大いに話題となりました。

  • 短編ミステリ・オールタイムベストアンケート 国内編
    • 第1位 法月綸太郎「死刑囚パズル」
    • 第2位 連城三紀彦「戻り川心中」
    • 第3位 梓崎優「砂漠を走る船の道」
  • 短編ミステリ・オールタイムベストアンケート 海外編
    • 第1位 ジョン・ディクスン・カー「妖魔の森の家」
    • 第2位 ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
    • 第3位 クリスチアナ・ブランド「ジェミニー・クリケット事件」

 その後これを受けて、渋江照彦さん(@shibue827)が同じ方式で「怪談短編オールタイムベスト」のアンケートを、ないとーさん(@schizophonic)が「ライトノベル・少女小説から選ぶオールタイムベストミステリ」のアンケートを実施しました。

  • 怪談短編オールタイムベスト 国内篇
    • 第1位 小松左京「くだんのはは」
    • 第2位 江戸川乱歩「鏡地獄」
    • 第3位 半村良「箪笥」
  • 怪談短編オールタイムベスト 海外篇
    • 第1位 W・W・ジェイコブズ「猿の手」
    • 第2位(2作) C・P・ギルマン「黄色い壁紙」、E・A・ポー「アッシャア家の崩壊」

※「ライトノベル・少女小説から選ぶオールタイムベストミステリ」は7月29日で投票期間が終わり、現在集計中

 そこで私もこの勢いを借りて、フランスミステリ・オールタイムベストのアンケート企画を実施してみることにいたしました。2012年版『東西ミステリーベスト100』海外編にはフランス語圏の作品は以下の4作品しかランクインしていません。

  • ガストン・ルルー『黄色い部屋の謎』
  • セバスチアン・ジャプリゾ『シンデレラの罠』
  • カトリーヌ・アルレー『わらの女』
  • モーリス・ルブラン『奇岩城』

 しかしほかにも、読まれるべき名作がきっと埋もれているはずです。あなたの一票が、忘れられた傑作にもう一度日の光を当てるかもしれません!

◆「フランスミステリベスト100」実施要項

【日程】

  • 投票期間:2014年7月31日[木]21時(午後9時)〜8月12日[火]24時
  • 結果発表:2014年8月13日[水]、Twitterにて(「翻訳ミステリー大賞シンジケート」でも結果を載せていただける予定です。また、企画者のサイトにもリストを掲載します)

【対象作品】

 フランス語で執筆されたミステリ小説の邦訳。企画タイトルは分かりやすく「フランスミステリベスト100」としましたが、フランス以外の国の作家の作品でも、フランス語で執筆されたものであれば対象になります(つまり、ベルギー出身のジョルジュ・シムノンやS・A・ステーマンの作品も対象になります)。「ミステリ小説」の範囲はみなさまにお任せします。

 長編だけでなく短編集や短編への投票も可能です。シリーズまとめての投票(たとえば「ルパンシリーズ」「メグレ警視シリーズ」など)はお控えください。

【投票・集計方法】

 1人最大で10作まで投票可能です。順位はつけてもつけなくても構いません(※ポイントの集計法に関する注意事項をよくお読みください)。順位と作品タイトルと作者名、「順不同」である場合はその旨を明記し、ハッシュタグ #ATB仏ミス をつけてツイートするか、または企画者(@Colorless_Ideas)にリプライをお送りください。

 投票が確認できましたら、企画者よりリプライをお送りいたします。投票して24時間が経っても反応がない場合は、検索漏れ等で企画者がツイートに気づいていない可能性がありますので、リプライでご連絡ください。

 1位10点、2位9点、3位8点……10位1点として集計します。投票作が10作に満たない場合でもポイントは同じように付与します。たとえば投票作に『黄色い部屋の謎』と『シンデレラの罠』の2作を選び、それぞれを1位、2位とした場合、やはり1位に10点、2位に9点が加算されます。

 「順不同」での投票の場合は、投票作品数が10作品でもそれ未満でも、点数は一律で「5.5点」とします。たとえば投票作に『黄色い部屋の謎』と『シンデレラの罠』の2作を選び、「順不同」での投票とした場合、どちらもに5.5点が加算されます。

 ほかの方の投票内容を見て、「そういえばそんな作品があった!」と思い出すこともあるかと思います。投票のやり直しは可能とします。その場合は、投票のやり直しをする旨を企画者(@Colorless_Ideas)にリプライでお知らせください。

【参考リスト】

 企画者のサイト内のリストです。

【2014年8月6日追加↓】

【いくつかの個別の注意事項】

  • (1)モーリス・ルブランの『813』『続813』は合わせて1つの作品とみなしてください。
  • (2)創元推理文庫のミッシェル・ルブラン『贋作/モンタージュ写真』やフレッド・カサック『殺人交叉点』(「殺人交叉点」、「連鎖反応」を収録)のように、長編2作品を収録している書籍があります。これについては、収録作の両方に投票したい場合はそれぞれ個別に投票をお願いします。書籍としての『贋作/モンタージュ写真』や『殺人交叉点(「連鎖反応」併録)』への投票はお控えください。作品が3編以上収録されている場合は「短編集」とみなし、書籍単位での投票も可能とします。
  • (3)ハヤカワ・ミステリ文庫の『フランス・ミステリ傑作選1 街中の男』『フランス・ミステリ傑作選2 心やさしい女』は書籍単位での投票も可能とします。

 あまりフランスミステリは読んでいないという方でも、お気に入り作品・お薦め作品があれば、1作でも2作でもぜひともご投票ください!

松川 良宏(まつかわ よしひろ)

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 アジアミステリ研究家。『ハヤカワ ミステリマガジン』2012年2月号(アジアミステリ特集号)に「東アジア推理小説の日本における受容史」寄稿。論創ミステリ叢書『金来成探偵小説選』(2014年6月)解題執筆。「××(国・地域名)に推理小説はない」、という類の迷信を一つずつ消していくのが当面の目標。

 Webサイト: http://www36.atwiki.jp/asianmystery/

 twitterアカウント: http://twitter.com/Colorless_Ideas

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