アメリカのベストセラー・ランキング

8月17日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

1. BIG LITTLE LIES    New!

Liane Moriarty リアン・モリアーティ

オーストラリアの小さな町で、同じ幼稚園に子どもを通わせるママ友たち。冒頭でそのうちのひとりが死ぬことが明かされる。誰が、そしてなぜ——“THE HUSBAND’S SECRET”でブレイクした著者による新作ドメスティック・サスペンス。

2. THE HEIST    Down

Daniel Silva ダニエル・シルヴァ

美術修復師ガブリエル・アロン・シリーズの第14作。美術修復師にしてイスラエルの秘密工作員ガブリエル・アロンが、イギリス人元外交官殺しの犯人を探るうちに、盗まれたカラヴァッジョの絵画をめぐる秘密が明らかになる。

3. TOM CLANCY: SUPPORT AND DEFEND    Stay

Mark Greaney トム・クランシー、マーク・グリーニー

ジャック・ライアンの甥、FBI捜査官、対テロ民間秘密組織“ザ・キャンパス”工作員の顔を持つドミニク・カルーソーが、国家機密漏洩にからんだ、キャリア最大の難局に直面する。ライアン・シリーズの脇役を主人公に据えた、クランシーの遺作にあたる作品。

4. THE BOOK OF LIFE    Down

Deborah Harkness デボラ・ハークネス

パラノーマル・ファンタジー3部作〈オール・ソウルズ・トリロジー〉の完結編。幻の写本の謎を追い、エリザベス朝イングランドから現代へと戻った魔女の末裔の歴史学者ダイアナとヴァンパイアのマシューを新たな危機が襲う。

5. THE GOLDFINCH    Stay

Donna Tartt ドナ・タート

爆破事故で母を失った少年が過酷な運命に翻弄され、大人になるまでの物語。2014年ピューリッツァー賞(フィクション部門)を受賞、河出書房新社より2015年に邦訳が刊行予定。

6. FAST TRACK    New!

Julie Garwood ジュリー・ガーウッド

ロマンチック・サスペンスのブキャナン兄弟シリーズ第12作。第7作『氷雪の眼差しに灼かれて』などに登場する高校教師コーディ・ケインが、幼少時に失った母の秘密を明らかにするため、シカゴからオーストラリアへ向かう。

7. A PERFECT LIFE    Down

Danielle Steel ダニエル・スティール

人気ニュースキャスターとして岐路に立ったシングル・マザーと、ずっと全寮制盲学校で暮らしていたその10代の娘が同居をはじめてからの波乱と模索の日々を描いた、心温まる物語。

8. ACT OF WAR    Down

Brad Thor ブラッド・ソー

アメリカ海軍特殊部隊SEALS出身のエージェントが活躍するスコット・ハーヴァス・シリーズの第13作。中国に潜入していたCIA工作員の死をきっかけに、アメリカを崩壊させる謀略が明らかになる。

9. ALL THE LIGHT WE CANNOT SEE    Up

Anthony Doerr アンソニー・ドーア

フランスに住む盲目の少女と、無線技師となり戦争に巻きこまれていくドイツ人の青年——第二次大戦直前、ふたりの人生がサン・マロで交錯する。短編集『シェル・コレクター』でデビューした著者の4年ぶりの新作長編。

10. THE SILKWORM    Down

Robert Galbraith ロバート・ガルブレイス

J・K・ローリングがガルブレイス名義で執筆する私立探偵コーモラン・ストライク・シリーズの第2作。ストライクが行方を追っていた作家が惨殺死体で発見される。講談社より2015年に邦訳が刊行予定。

【まとめ】

1位と6位に新作が登場しました。初登場1位の“BIG LITTLE LIES”はリース・ウィザースプーンとニコール・キッドマン共演で映画化予定とのこと。100万部突破の前作“THE HUSBAND’S SECRET”も17位にランクイン中です。トップテン外では、ほかに『リリアン』で知られるエイミー・ブルームの7年ぶりの長編“LUCKY US”が16位に入っています。

中谷友紀子(なかたに ゆきこ)

関西在住の翻訳者。訳書はギリアン・フリン『冥闇』、『ゴーン・ガール』など。『ゴーン・ガール』映画版の日本公開がひたすら楽しみですが、『冥闇』のほうも待ち遠しい。チビで毒舌でひねくれ者の主人公をシャーリーズ・セロンが演じるとどうなるのか……気になります。フリンのデビュー作『KIZU——傷——』もテレビドラマ化決定だそうです。