先日サイトに「第六回翻訳ミステリー大賞選出にむけて」を掲載いたしましたが、翻訳者のみなさんは話題作のチェックなどはおすすみでしょうか?

 今年もまた翻訳ミステリー界は百花繚乱、内容も国籍も多種多様な作品がたくさん紹介されました。当サイトでも、以下のような新刊書評を掲載していますが、マストリードな作品が毎月のように多数出版されていることに、評者のみなさんもうれしい悲鳴をあげているようです。

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 そんななか、われらが『翻訳ミステリー大賞』もいよいよ第6回を迎えます。

 一次投票の開始を前にして、わたしたちはいまいちど考えました——翻訳ミステリー大賞とはなんぞや?

 この賞の最大の特徴は——

『翻訳者が“どひゃあと声をあげちゃうくらいおもしろい!”、“これを読まないのは一生の損だ!”と思った翻訳小説を読者のみなさんにお伝えし、ゆたかな読書生活のお手伝いをするための賞』

 ——だ、ということです。

 翻訳者は、手がけている作品のジャンルや言語こそ異なっていても、みないちように『海外と日本との懸け橋』として、原著者と読者のあいだに少しでもすばらしい橋をわたすために日々力をつくしています。もとよりそのだれもが本が好きなればこそ、いまの仕事についています。

 日々の仕事に追われがちでも、翻訳者としてのアンテナが「ぴこんっ!」と反応した一冊をつい手にとったが運のつき(?)、仕事も忘れて読みふけったあとで「これはみなさんにオススメしなければ!」と強く思ったことは、翻訳者のみなさんならどなたにもあるでしょう。

 翻訳ミステリー大賞は、翻訳者のみなさんのそんな熱い「オススメ心」を、読者のみなさんに届けるための賞でありたいと思います。

 また『翻訳ミステリー大賞』と銘打ってはおりますが、投票要項を見ていただければおわかりのように、その対象は翻訳出版された多くの海外フィクションのなかで、「投票者がミステリーとみなす作品」です。決して「ミステリーとして出版された作品」ではありません。

 オビや宣伝文句にミステリーと書いてなくても、あなたの「ミステリー心」を刺激された作品があったら、ぜひとも教えてください。翻訳ミステリー大賞は投票のあった作品すべてを紹介しています。あなたの1票をきっかけに、あなたの「忘れられない作品」がほかのだれかの「心に残る作品」になって、活字が人の心をつないでいくことになるのです。

 そうそう、大事なことをもうひとつ。『翻訳ミステリー大賞』というネーミングから、投票できるのは「ミステリーを手がけている翻訳者だけ」と思っていませんか?

 そんなことはありません。

 世にいうミステリーやエンターテインメント小説(本格も変格もハードボイルドもクライムもコージーもノワールも奇妙な味もサスペンスも冒険小説もエスピオナージュもリーガルも……)だけではなく、文芸作品、SFやファンタジー、ホラー、ロマンス、ヤングアダルト、児童書や絵本など、ジャンルや出版形態や作品の国籍にかかわらず広大な沃野でお仕事をなさっている方々、ひとりでも多くの翻訳者の方からの「熱いオススメ心」のこもった1票を、わたしたちは待っています。

 そして——10月8日に掲載した記事「第六回翻訳ミステリー大賞選出にむけて」では【投票資格:フィクションの訳書がすでに少なくとも一冊ある者、またはそれに準ずる訳業のある者。】としましたが、本日発表の投票要項(以下参照)から、これを以下のようにあらためます。

『フィクション、ノンフィクションを問わず、訳書または共訳書が少なくとも一冊ある方。』

 フィクション、ノンフィクションの双方の分野でお仕事をなさっている翻訳者諸氏もたくさんおられます。そもそもノンフィクションの翻訳も、フィクションの翻訳とおなじく『海外と日本の懸け橋』であることはいうまでもありません。ノンフィクション中心に活躍されている方々にお願いです。お仕事のあいまに気晴らしで読んだ翻訳フィクションのなかに「これ、まわりにすすめたいな」と思った作品があれば、それを投票のかたちでわたしたちに——いや、まだその本の存在を知らないたくさんの方に——お知らせください。あなたの「熱いオススメ心」のこもった1票をわたしたちはお待ちしています。

 翻訳フィクションという無限の楽しみが約束された世界が、ひょいと手を伸ばすだけで届くところにあることを、出版不況が叫ばれるいまだからこそ、ひとりでも多くの読者の方に広めたい。

 わたしたちはそんなふうに考えています。ひとりでも多くの翻訳者諸兄姉のご賛同をお待ちしています。

 速報!

 もうひとつ大事なお知らせです。

 この第6回翻訳ミステリー大賞の授賞式の開催日程が決まりました。

 前回までのような旅館での宿泊イベントではありませんが、楽しい一日になるように目下鋭意プラン作成中です。

会場やくわしい催事内容、参加要項などの詳細は随時当サイトにてお知らせしていきますので、ご期待ください。

日時:2015年4月25日(土)

場所:都内イベントスペース

■第六回翻訳ミステリー大賞・一次投票要項

  • 投票資格、投票方法
    • 投票資格:フィクション、ノンフィクションを問わず、訳書または共訳書が少なくとも一冊ある方。
    • 締切:2014年11月30日(日)
    • 投票先:第六回大賞・一次投票専用アドレス honyakumystery+61@gmail.com
    • 投票メールの件名は「第六回一次投票」としてください。おつかいの環境によっては、上記アドレス部分をクリックすると「第六回一次投票」という件名の新規メール作成画面が起動します。
    • 投票には以下のフォームをコピーしておつかいください。

●第六回翻訳ミステリー大賞一次投票

1『作品名』(作者)

2『作品名』(作者)

3『作品名』(作者)

4『作品名』(作者)

5『作品名』(作者)

●投票者氏名=

    • 事務局公式アドレスとは異なり、第六回一次投票専用アドレスです。集計ミス防止のため、こちらへの投票送信のご協力をお願いいたします。
    • 投票メールには投票専用アドレスから受領確認メールをお返しいたします。二日を過ぎても返信がない場合は投票メールの不達などが考えられますので、事務局( honyakumystery@gmail.com )にお問い合わせください。
    • 携帯電話端末でPCメール等の受信拒否設定をされている方は、事務局からの返信が受信できるように指定解除をおこなうか、@gmail.com からのドメイン指定受信の設定をおこなってください。
  • 投票にあたっての注意
    • 投票対象:2013年11月1日から2014年10月31日までに刊行された翻訳フィクション(奥付に準じます。新訳作品は含みますが、同一訳者による改訳や文庫化作品は対象外です)。
    • 投票者がミステリーと見なす作品から『翻訳者として読者のみなさんに強くお勧めしたい作品』5作に順位をつけて投票してください。5作に満たない投票は無効です。
    • 投票にあたっては翻訳者として訳書を刊行されているお名前をフルネームでご明記ください(ご本名、筆名は問いません)。フルネームではない投票、無記名投票、投票資格を満たさない方の投票は無効です。
    • 自訳書への投票は自由です。
    • 今年度は、昨年度大賞受賞作翻訳者と予選委員が重複していますので、事務局内の翻訳者8名が予選委員会を構成します(田口俊樹、横山啓明、鈴木恵、白石朗、東野さやか、越前敏弥、加賀山卓朗、上條ひろみ——以上生年順)。
    • 一次投票締切後に最終候補作選定のための予選委員会を開催します。予選委員会には、ほかに事務局から杉江松恋、川出正樹の両名が立会人として同席します。

■一次投票締切は 11月30日(日)です。

2014年11月 翻訳ミステリー大賞シンジケート事務局

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