『ミステリーズ!』vol.75 FEBRUARY 2016

東京創元社(雑誌)/本体価格(2016/03/09 08:43時点)1200円/2月13日/ISBN:978-4-488-03075-9

【ブックエッセイ】

瀬那和章 私の一冊『夏を殺す少女』アンドレアス・グルーバー

古草秀子 私はこれが訳したい The Dog Who Knew Too Much: A Chet And Bernie Mystery Spencer Quinn

【評論】

川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第二十六回

『10の奇妙な話』/Ten Sorry Tales

ミック・ジャクソン(Mick Jackson)/デイヴィッド・ロバーツ(David Roberts)絵/田内志文・訳

東京創元社(単行本)/本体価格(2016/03/09 08:43時点)1500円/2月13日/ISBN:978-4-488-01053-9

金持ち夫妻に雇われ隠者となった男や、蝶の修理屋を志し博物館の標本の蝶を蘇らせようとする少年。日常と異常の境界線を飛び越えてしまった人々を描く奇妙で愛おしい物語。訳者あとがき=田内志文

【収録作品】

「ピアース姉妹」

「眠れる少年」

「地下をゆく舟」

「蝶の修理屋」

「隠者求む」

「宇宙人にさらわれた」

「骨集めの娘」

「もはや跡形もなく」

「川を渡る」

「ボタン泥棒」

『罪悪』/Schuld

フェルディナント・フォン・シーラッハ(Ferdinand von Schirach)/酒寄進一・訳

創元推理文庫/本体価格(2016/03/09 08:43時点)720円/2月13日/ISBN:978-4-488-18603-6

ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社にかぶれる男子寄宿学校生らのいじめが引き起こす悲劇。弁護士が語るさまざまな罪の形。『犯罪』を凌駕する第二短篇集! 解説=杉江松恋

【収録作品】

「ふるさと祭り」

「遺伝子」

「イルミナティ」

「子どもたち」

「解剖学」

「間男」

「アタッシェケース」

「欲求」

「雪」

「鍵」

「寂しさ」

「司法当局」

「清算」

「家族」

「秘密」

『プラハの墓地』/Il cimitero di Praga

ウンベルト・エーコ(Umberto Eco)/橋本勝雄・訳

海外文学セレクション(単行本)/本体価格(2016/03/09 08:43時点)3500円/2月22日/ISBN:978-4-488-01051-5

ユダヤ人嫌いの祖父に育てられたシモーネ・シモニーニ。偽書作りの名手であるシモニーニがいかにしてユダヤ迫害のもととなった偽書『シオン賢者の議定書』を生み出し、どのように世界にそれが広まり憎しみの渦を作り上げたか? 訳者あとがき=橋本勝雄

『月の夜は暗く』/Todesfrist

アンドレアス・グルーバー(Andreas Gruber)/酒寄進一・訳

創元推理文庫/本体価格(2016/03/09 08:43時点)1380円/2月22日/ISBN:978-4-488-16007-4

大聖堂で見つかった女性の遺体。パイプオルガンの演奏台に縛りつけられ、脇にはインク、口にはホースと漏斗が。なにかの見立てか? 『夏を殺す少女』の著者が童謡殺人に挑む。訳者あとがき=酒寄進一

『ヴァイキング、ヴァイキング【新版】』/Wrack and Rune

シャーロット・マクラウド(Charlotte MaCleod)/高田惠子・訳

創元推理文庫/本体価格(2016/03/09 08:43時点)1000円/2月22日/ISBN:978-4-488-24631-0

地元紙の記者クロンカイトは、104歳の女性ヒルダへの取材で農場を訪れたあと、近くにあるというルーン石碑を見にいくが、途中で作男の死亡事故に遭遇してしまう。農場周辺ではその後も“事故”が続き、ヴァイキングの呪いが原因かとうわさがたつなか、シャンディ教授は右往左往しつつもやじ馬撃退と事件解決をめざす。温かなユーモア満載の、心から楽しめる傑作ミステリ第三弾。解説=宮脇孝雄

『貴婦人として死す』/She Died a Lady

カーター・ディクスン(Carter Dickson)/高沢治・訳

創元推理文庫/本体価格(2016/03/09 08:43時点)820円/2月27日/ISBN:978-4-488-11840-2

戦時下イギリスの片隅で一大醜聞が村人の耳目を集めた。海へ真っ逆さまの断崖へ続く足跡を残して俳優の卵と人妻が姿を消し、二日後に遺体となって打ち上げられたのだ。医師ルーク・クロックスリーは心中説を否定、二人は殺害されたと信じて犯人を捜すべく奮闘し、得られた情報を手記に綴っていく。警察に協力を要請されたヘンリ・メリヴェール卿とも行を共にし、検死審問前夜とうとう核心に迫るが……。張り巡らした伏線を見事回収、本格趣味に満ちた巧緻な逸品。解説=山口雅也