翻訳家の横山啓明氏が、6月30日(木)、直腸がんで闘病のすえ、救世軍清瀬病院にて逝去されました。

 横山氏は1956年生まれ、早稲田大学第一文学部演劇学科を卒業後、2000年にミルワード・ケネディ『救いの死』(国書刊行会)でデビュー、英米文学翻訳家になり、ジョージ・P・ペレケーノスやジョン・ダニングの作品をはじめとするミステリーはもちろん『理系の子』などノンフィクション分野においても数多くの訳書を刊行されました。6月にジョン・コラピント『無実』がハヤカワ・ミステリ文庫より刊行されたばかりです。また翻訳学校の講師もつとめ、後進の育成にも熱心に取り組まれていました。

 翻訳者としてご多忙をきわめるなかで、翻訳ミステリー大賞シンジケートの事務局の一員として、サイト運営やイベントにご尽力してくださいました。大賞授賞式の開票式で翻訳者のみなさまからいただいた投票内容を読みあげるお姿をご記憶の方も多いかと思います。この数年はご闘病がつづきましたが、変わらず当シンジケートの運営にたずさわって貴重なご意見を数多くお寄せくださり、翻訳ミステリーの興隆にご尽力してくださいました。ここに生前のご厚誼とご貢献に事務局一同より厚く御礼を申しあげますとともに、心よりの哀悼の意を表します。

(翻訳ミステリー大賞シンジケート事務局)   

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【写真左】2013/04/13 第四回翻訳ミステリー大賞授賞式にて(事務局撮影)

【写真右】2014/07/11 東京創元社パーティーにて(事務局撮影)

■横山啓明氏インタビュー「読者の心をつかむ難しさと楽しさ」(2011年/フェロー・アカデミー)

前篇https://www.fellow-academy.com/fellow/pages/tramaga/backnumber/240.jsp

後篇https://www.fellow-academy.com/fellow/pages/tramaga/backnumber/241.jsp

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