2016年12月15日、都内において第八回翻訳ミステリー大賞予選委員会が開催されました。今年度の予選委員会は、上條ひろみ、鈴木恵、高山真由美、東野さやか、武藤陽生の5名です。当日は5名全員が出席しました。

 また議事進行の公正を期すため、事務局の川出正樹が議事立会人をつとめました。(以上いずれも姓名五十音順)

 会合では、まず出席者確認をもって予選委員会の成立を宣言したのち、11月30日に締め切られた予備投票結果について、立会人をふくめて全員でメールによる投票のプリントアウトや集計表を参照のうえ、以下の点の確認作業をおこないました。

  • 総投票は52票、投票作品は全101作。
  • 有資格者(*)による記名投票であること。(* 第六回より「フィクション、ノンフィクションを問わず、訳書または共訳書が少なくとも1冊ある方」に改訂)
  • 規定どおり5作に投票していること。
  • 投票された101作のいずれもが対象年度内(**)に刊行された翻訳フィクションであること。(** 奥付2015年11月1日〜2016年10月31日)

 その結果、全投票が有効票であることを全員で確認しました。

 次に、投票結果の得点数上位5位までの作品について検討しました。

 翻訳ミステリー大賞を決定する本投票では「最終候補作のすべてを読了したこと」が投票資格のひとつになっています。第四回は最終候補作が6作、また第五回では7作を選定しましたが、第六回で、有資格投票者のみなさまの負担に配慮するととともに、より多くの方に投票していただけるよう最終候補作を5作とすることを予選委員をふくむ当事務局で決定しました(「第六回翻訳ミステリー大賞選出にむけて」)。その結果多くの方に投票いただきましたことを踏まえ、今回もこの方針を踏襲することを申し合わせました。

 予選委員会では、まず予選委員全員が得点数で1位から3位までの3作品を最終候補作とすることに委員全員一致で賛成しました。

 残る2作品については、投票内容をあらためて精査したのち、得点数4位と5位の作品を含むなかから「翻訳ミステリー大賞によりふさわしい作品」を各予選委員が推挙するかたちで投票をおこない、選定いたしました。

 投票にあたっては、立会人が集計をおこないました。

 候補作5作決定ののち、今後の選考スケジュールについて話しあい、本投票締切日をさだめました。

 決定した最終候補作5作(作品名50音順)、および投票締切日は以下のとおりです。


『熊と踊れ』/アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ/ヘレンハルメ美穂、羽根由(早川書房)

『その雪と血を』ジョー・ネスボ/鈴木恵(早川書房)

『拾った女』チャールズ・ウィルフォード/浜野アキオ(扶桑社)

『マプチェの女』/カリル・フェレ/ 加藤かおり、川口明百美(早川書房)

『ミスター・メルセデス』スティーヴン・キング/白石朗(文藝春秋)



本投票締切(予定):2017年4月20日(木)

公開開票式および贈賞式:2017年4月22日(土)


 上記以外での予選委員会における決定事項は以下のとおりです。

  • 本投票要項や公開開票式と贈賞式の詳細等については、決定次第、当サイトにて公表すること。
  • 予備投票で投票のあった全作品を近日中に当サイトにて公開すること。
  • よりよい賞にするために、翻訳ミステリー大賞の選考制度や選考方法を今後とも継続して検討課題としていくこと。
  • 本投票は「予備投票に参加していなくても、最終候補作をすべて読了した有資格者であれば投票できる」旨の告知をさらに徹底すること。

付記——鈴木恵委員は自訳書、ジョー・ネスボ『その雪と血を』に関しての議論にはいっさい加わりませんでした。同作品に関しての決定は、立会人のもと、出席していた他の予選委員が責任をもって下しました。

——翻訳ミステリー大賞・予選委員会 

【予備投票者(52名、五十音順、敬称略)】

《ア》阿尾正子、青木悦子、青木創、安達眞弓、稲村文吾、越前敏弥

《カ》加賀山卓朗、柿沼瑛子、金井真弓、上條ひろみ、川添節子、喜須海理子、北田絵里子、木村浩美、国弘喜美代、熊井ひろ美、栗木さつき、黒木章人、黒輪篤嗣、小林さゆり、駒月雅子

《サ》酒寄進一、佐藤桂、白石朗、白須清美、鈴木恵

《タ》高里ひろ、高橋知子、高山真由美、田口俊樹、対馬妙、寺尾まち子、冨田ひろみ

《ナ》中川潤、中川美帆子、成川裕子

《ハ》服部京子、東野さやか、日暮美月、菱山美穂、舩山むつみ、堀川志野舞

《マ》三角和代、皆川孝子、宮崎真紀、武藤祟恵、武藤陽生、森沢くみ子

《ヤ》山岸真、山口かおり、吉井智津、吉野山早苗

●第八回大賞最終候補作





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