アメリカのベストセラー・ランキング

12月6日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

 

  1. 1. RHYTHM OF WAR    New!

Brandon Sanderson ブランドン・サンダースン

大河ファンタジー《嵐光録(ストームライト・アーカイブ)》シリーズの第4巻。前巻“OATHBRINGER”のクライマックスとなった戦いの1年後から始まり、主要登場人物それぞれの行動や命運が描かれる。

 

  1. 2. DAYLIGHT    New!

David Baldacci デイヴィッド・バルダッチ

FBI捜査官アトリー・パイン・シリーズの第3作。30年前に誘拐された双子の姉妹マーシーの行方を追うアトリーは、ついに誘拐犯の素性をつきとめ、その人物を追う過程で陸軍の捜査官ジョン・プラーと出くわして協力しあう成りゆきに。著者の別シリーズの主人公ジョン・プラーが登場するクロスオーバー作品。

 

  1. 3. A TIME FOR MERCY    Stay

John Grisham ジョン・グリシャム

1990年、ミシシッピ州クラントン。弁護士のジェイク・ブリガンスは、地元の議員を殺した罪に問われた16歳の内気な少年、ドリューの弁護を引き受ける。人びとの多くは迅速な裁判と死刑判決を望んでいたが、事件について調べるうち、ブリガンスはそこに隠された真実をつきとめる。ブリガンスを主人公にしたシリーズの、6年ぶりの新作。

 

  1. 4. THE LAW OF INNOCENCE    Down

Michael Connelly マイクル・コナリー

リンカーン弁護士ことミッキー・ハラー・シリーズ第6作。リンカーンのトランクから死体が発見される。被害者はかつての依頼人で、ハラーは殺人の容疑で逮捕されてしまう。だれが自分を罠にかけたのか――異母兄ハリー・ボッシュらの手を借りて真犯人を捜しながら、ハラーは法廷で無罪を勝ちとろうと力を尽くす。

 

  1. 5. THE RETURN    Down

Nicholas Sparks ニコラス・スパークス

医師として従軍したアフガニスタンで大怪我を負ったトレヴァーは、ノースカロライナ州へもどり、祖父が遺した小屋で蜂の世話をしながら暮らしはじめる。近隣のトレーラーハウスに住む10代の少女キャリーと知り合い、保安官代理のナタリーと恋に落ちて、ふたりとのかかわりから祖父の死にまつわる謎について知ることになる。

 

  1. 6. ALL THAT GLITTERS    New!

Danielle Steel ダニエル・スティール

裕福な家庭のひとり娘として愛情を一身に注がれ、母親譲りの美貌にも恵まれて順風満帆の人生を送ってきたココ。だが、コロンビア大学卒業を目前にして、両親がテロに巻きこまれ死亡するという突然の悲劇に見舞われる。天涯孤独となったココは、幼なじみで親友のサムの助けを借りながら懸命に前に進もうとするが……

 

  1. 7. THE SENTINEL    Down

Lee Child and Andrew Child リー・チャイルド、アンドリュー・チャイルド

ジャック・リーチャー・シリーズ第25作。テネシーの小さな町で、リーチャーは暴漢に囲まれた男を助ける。それは失業したばかりのITマネージャーで、自分では気づかないまま大きな秘密を握っているらしい。ただならぬ陰謀と隠蔽のにおいを嗅ぎ取ったリーチャーは、巨大なサイバー犯罪の世界へと巻きこまれていく。

 

  1. 8. FORTUNE AND GLORY    Down

Janet Evanovich ジャネット・イヴァノヴィッチ

ステファニー・プラム・シリーズ第27作。ステファニーの祖母マズールは結婚式当日に新郎を心臓発作で失くした。莫大な財産に関する鍵が残され、ステファニーとマズールはその謎を追うが、ガブリエラ・ローズという人物もその財産を狙っていることがわかる。

 

  1. 9. TOM CLANCY: SHADOW OF THE DRAGON    New!

Marc Cameron マーク・キャメロン

トム・クランシー没後、他作家によって書き継がれているジャック・ライアン・シリーズの第16作。マーク・キャメロン執筆のものとしては4作目。画期的な潜水艦技術の開発にかかわった中国人科学者が失踪。中国当局がアメリカへの亡命を疑う中、合衆国大統領ジャック・ライアンは、科学者の行方の鍵を握ると目される人物と接触すべく、盟友のジョン・クラーク率いる秘密機関〈ザ・キャンパス〉を中国へ送りこむ。

 

  1. 10. PIECE OF MY HEART    New!

Mary Higgins Clark and Alafair Burke メアリ・ヒギンズ・クラーク、アラフェア・バーク

未解決事件を扱うテレビ番組“アンダー・サスピション”のプロデューサー、ローリーを主人公とするクラークとバークの共作シリーズ第6作。婚約者アレックスとの結婚を目前に控え、彼の親族とともに休暇に出かけた高級別荘地ハンプトンで、7歳のアレックスの甥ジョニーが姿を消してしまう。ローリーは、自身の息子ティミーによく似たジョニーが人違いでさらわれたのではないかと疑うが――

 

【まとめ】

5作が新たにランクインしました。初登場1位に輝いたブランドン・サンダースンの《嵐光録》シリーズは、第1巻『王たちの道』が『王たちの道1 白き暗殺者』『王たちの道2 死を呼ぶ嵐』『王たちの道3 自由への架け橋』の3分冊で早川書房より刊行されています。9位のジャック・ライアン・シリーズは、マーク・グリーニーが執筆した第12作『イスラム最終戦争』(1~4、新潮文庫)が2019年に刊行されています。また同シリーズの主要キャラクター、ジョン・クラークが主人公のスピンオフ作品『容赦なく』(上・下、新潮文庫)を原作とする映画がマイケル・B・ジョーダン主演で制作中、来年公開予定です。10位は今年1月に死去したメアリ・ヒギンズ・クラークがアラフェア・バークとの共作で書いてきたシリーズです。アラフェア・バークの邦訳の近刊としては、2018年に『償いは、今』(ハヤカワ・ミステリ文庫)が出ています。

 

    1. 満園真木(みつぞの まき)

      東京在住の翻訳者。訳書はシェーン・バウアー『アメリカン・プリズン――潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス』(東京創元社)、アレックス・リーヴ『ハーフムーン街の殺人』、リサ・ガードナー『無痛の子』、『棺の女』(いずれも小学館文庫)、バリー・ライガ〈さよなら、シリアルキラー〉シリーズ(創元推理文庫)など。