みなさま、あけましておめでとうございます。
 あれから7年。熱いリクエストがあったわけでもないのに、あの翻訳ミステリー長屋かわら版が、よそおいも(ちょっぴり)新たに帰ってまいりました。事務局の翻訳者8名が毎月1回、みなさまのお目にかかります。なにとぞごひいきに。

 


田口俊樹

 娘一家の家が近所なので、散歩がてら妻がつくった惣菜を届けたりしてるんですが、去年はピンポーン、「ウーバーイーツです」なんてやってました。で、先日ふと思いつき、ピンポーン、「ウージイ・イーツです」とかましてやりました。会心の一発です。でも、出てきた娘はありがとうとしか言わないので、「うけた?」とこちらから訊きました。すると、「何が?」と訊き返すので、「ウーバーじゃなくてウージイ」と解説したら、「なるほど」と言っておざなりの笑みを浮かべました。あたしゃ忙しいんだよと言わんばかりに。世におやじギャグほど不要不急のものもありません。一日も早く明るい光が見えますように。

(たぐちとしき:ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズ、バーニイ・ローデンバー・シリーズを手がける。趣味は競馬と麻雀)

 


白石朗

 数カ月以上バッテリー劣化を見ないふりしてつかっていたiPhone を、一念発起 6sから 12 に機種変。顔認証にとまどいつつ快適につかっていますが、日本語入力用キーボード・アプリの「もず」が消えていたのが地味にショック。つかいやすかったんですよね。
 昨年12月は矢野顕子さんの恒例「さとがえるコンサート」を見に出かけたのと必要な買物以外は家にこもってゲラを読んでいた記憶しかありませんが、そのあいだに読んだうちの一冊、門間雄介『細野晴臣と彼らの時代』(文藝春秋)は抜群のおもしろさでした。ここ数年、ベテラン音楽関係者の評伝やインタビューや回想録が何冊も出てうれしいかぎり。

(しらいしろう:老眼翻訳者。最近の訳書はスティーヴン・キング&オーウェン・キング『眠れる美女たち』(文藝春秋)。キング流ミステリー〈ホッジズ三部作〉の最終巻『任務の終わり』の文庫版がもうじき刊行されます(文春文庫)。ツイッターアカウントは @R_SRIS

 


東野さやか

 埼玉から沖縄県那覇市に引っ越してきて、今年の四月で丸三年。埼玉では車がないとスーパーにも銀行にも図書館にも病院にも行けないところに住んでいたので、徒歩とモノレールでたいていの用が足りてしまういまの生活は快適そのもの。
 そんななかで、ひとつだけ不満なのがお風呂洗いのスポンジを買うのに苦労すること。埼玉ではどこのスーパーでも四、五種類は置いてあるのに、こちらでふだん行くスーパーにはないのです。ドラッグストアにもない。百円ショップなら何種類か置いていますが、やわらかすぎたり、小さすぎたりして、どれもわたしの好みに合わない。いまはショッピングモールの日用品売り場でどうにか一個だけ見つけたのを使っていますが、沖縄のみなさんはいったいどこでお風呂洗いのスポンジを買っているのでしょう? 情報をお待ちしています。

(ひがしのさやか:最近のおもな訳書はクレイヴン『ストーンサークルの殺人』、フェスパーマン『隠れ家の女』。その他、ジョン・ハート、ウィリアム・ランデイ、ニック・ピゾラット、ローラ・チャイルズなどを翻訳。ツイッターアカウント@andrea2121

 


加賀山卓朗

 あけましておめでとうございます。新年に入ってから読んだのは、安田登著『野の古典』(紀伊國屋書店)。たいへんおもしろい。『古事記』や『中庸』や『伊勢物語』などが身近に感じられます。『東海道中膝栗毛』がそんなにとんでもない話だったとは。井原西鶴の『日本永代蔵』はまさに現代のビジネス書ですね。現物を読んでみよう。

(かがやまたくろう:デニス・ルヘイン、ロバート・B・パーカー、ディケンズなどを翻訳。昨年末は、ジョン・ル・カレの訃報が胸にこたえました)

 


上條ひろみ

 明けましておめでとうございます。
 新年からなんと「長屋」が復活。わたしが昨年末で「お気楽読書日記」をいったん終了したいと言ったために、事務局の翻訳者のみなさまにお出ましいただくことになってしまい、たいへん恐縮しています。
 連載終了後はツイッターなどでみなさまからあたたかいおことばをいただき、涙が出るほどうれしかったです。ほんとうにありがとうございました。嵐のように二年前に告知すればよかったのですが(それは無理)、充電したらできるだけ早く戻ってきますので、待っていてくださいね。
 本年もよろしくお願いいたします。

P.S. 〈お菓子探偵ハンナ〉シリーズ21巻『ラズベリー・デニッシュはざわめく』が今月発売になります。よろしく!

(かみじょうひろみ:英米文学翻訳者。おもな訳書はジョアン・フルークの〈お菓子探偵ハンナ〉シリーズ、ジュリア・バックレイ『そのお鍋、押収します』、カレン・マキナニー『ママ、探偵はじめます』など。趣味は読書と宝塚観劇)

 


高山真由美

 明けましておめでとうございます。
 久しぶりにゲラも切羽詰まった翻訳作業もない年末年始だったのですが、読書スランプに陥ってしまい、おもにコミックを読んで過ごしました。
『鬼滅の刃』外伝まで一気読みを皮切りに、『呪術廻戦』『カラオケ行こ!』『青の花 器の森』『坂道のアポロン』『月影ベイベ』『バー・オクトパス』『金曜日はアトリエで』『猫が西向きゃ』『塀の中の美容室』『北北西に曇と往け』『舞妓さんちのまかないさん』『小犬のこいぬ』『SPY×FAMILY』などなど……どれがどう面白かったか逐一ご紹介したいのですが、あれ、文字数が。
 もうすぐ出る『メタモルフォーゼの縁側』5巻も楽しみです。

 ところで、本稿掲載日(1月7日)は翻訳ミステリー大賞・予備投票の最終日です! みなさまご投票をよろしくお願いいたします。

(たかやままゆみ:最近の訳書はサマーズ『ローンガール・ハードボイルド』、ブラウン『シカゴ・ブルース(新訳版)』、ベンツ『おれの眼を撃った男は死んだ』など。おうち筋トレはじめました。ツイッターアカウントは@mayu_tak

 


 武藤陽生

 あけましておめでとうございます。昨年はコロナに明け暮れた1年でした。今年も早々に緊急事態宣言が出されようかという今日このごろですが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
 今年は「刑事ショーン・ダフィ・シリーズ」の第5作『レイン・ドッグズ(仮)』と、同じく早川書房から、先月あたりにツイッター上で少し話題になった作品を翻訳させていただく予定です。
『レイン・ドッグズ』は第3作『アイル・ビー・ゴーン』に続く密室もので、おそらくはシリーズ最後の密室ミステリとなるのではないでしょうか(なぜかは読めばわかります)。
このシリーズはほんとうに右肩あがりにおもしろくなっていきますので、ぜひご期待ください。

(むとうようせい:エイドリアン・マッキンティの刑事ショーン・ダフィ・シリーズを手がける。出版、ゲーム翻訳者。年末にハイスペックのノートPCを買って『サイバーパンク2077』や『マイクロソフト フライトシミュレーター』で遊んでいました)

 


鈴木 恵

Eight Detectives (8人の探偵)という作品をちょうど訳しおえたところ。数学の博士号を持つ英国人作家アレックス・パヴェージのデビュー作です。この作品のキモはなんといっても、殺人ミステリーを数学的に定義するという斬新な発想。それにもとづいて書かれた7篇の作中作を読んでいくと、さらに大きな謎が立ちあらわれてくるのです。めちゃくちゃ面白いので乞うご期待。推理小説の常識がくつがえされます。今年早川書房から。

(すずきめぐみ:働きものの翻訳者・馬券散財家。映画好き。最近のおもな訳書は『ザ・チェーン』『拳銃使いの娘』『その雪と血を』など。ツイッターアカウントは  @FukigenM