アメリカのベストセラー・ランキング

 

11月26日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)

 

  1. 1. THE MIDNIGHT LINE    New!

Lee Child リー・チャイルド

ジャック・リーチャー・シリーズの第22作。中西部の小さな町をあてもなく歩いていたリーチャー。質屋の店先で、名門ウエストポイント陸軍士官学校のクラスリングを目にして立ちどまる。ウエストポイント出身者のひとりとして、それが簡単に質入れなどできない卒業記念の大切な品だと知っていたからだ。指輪のサイズはおそらく女性用。何かがおかしいと直感したリーチャーは、持ち主の足跡をたどり、西へ向かう。

 

  1. 2. THE ROOSTER BAR    Down

John Grisham ジョン・グリシャム

ワシントンDCのロースクールに通う同級生のマーク、トッド、ゾーラ。卒業を半年後に控えたある日、学費ローンに苦しむクラスメートのひとりが自殺したことをきっかけに、3人はロースクールの経営母体であるファンドが学生ローン専門の金融機関も営み、貸付で儲けるために、ほかのどのロースクールにも受からない学生たちを入学させていたことを知る。

 

  1. 3. ORIGIN    Stay

Dan Brown ダン・ブラウン

元教え子で天才コンピューター科学者のカーシュが行う重大なプレゼンテーションを見るため、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館を訪れたラングドン。だが、あらゆる信仰の根幹を揺るがす大発見の内容が明かされようとした瞬間、カーシュが射殺され……われわれはどこから来て、どこへ行くのか。女性館長アンブラとともに、ラングドンは人類の起源と運命をめぐる謎を追う。神の存在意義を問うシリーズ第5作。KADOKAWAより邦訳が来春刊行予定。

 

  1. 4. TWO KINDS OF TRUTH    Down

Michael Connelly マイクル・コナリー

ロサンゼルス市警察を離れたハリー・ボッシュは、サンフェルナンド警察でボランティアとして未解決事件を担当していた。そこで、地元ドラッグストアの薬剤師親子が殺害された事件の捜査線上に、処方薬の転売に携わるギャングの影が浮かびあがる。一方、昔ロスで手がけたある殺人事件の犯人が、ハリーに証拠を捏造され、嵌められたと主張する。ハリー・ボッシュ・シリーズ第22作。

 

  1. 5. TYPHOON FURY    New!

Clive Cussler and Boyd Morrison クライブ・カッスラー、ボイド・モリソン

ハイテク装備の秘密工作船オレゴン号の冒険を描く、オレゴン・ファイル・シリーズ第12作。失われた絵画の捜索を依頼されたオレゴン号のファン・カブリーヨ船長と仲間たちだったが、その仕事の裏には、フィリピンの反乱勢力のリーダーによる恐ろしい計画が隠されていた。

 

  1. 6. THE NOEL DIARY    New!

Richard Paul Evans リチャード・ポール・エヴァンズ

母の死を機に、約20年ぶりに実家に戻ったベストセラー・ロマンス作家のジェイコブは、16歳だった彼を追い出した母親の荷物のなかに、ノエルという聞き覚えのない名の女性の日記を見つける。『クリスマス・ボックス』の作者が贈る、“過去を綴りなおす”クリスマスの物語。

 

  1. 7. EVERY BREATH YOU TAKE    New!

Mary Higgins Clark and Alafair Burke メアリ・ヒギンズ・クラーク、アラフェア・バーク

クラークとバークの共作によるシリーズ第4作。未解決事件を扱うテレビ番組“アンダー・サスピション”のプロデューサー、ローリーは、メトロポリタン美術館の屋根から突き落とされた、裕福な未亡人の死の謎を追う。

 

  1. 8. THE HOUSE OF UNEXPECTED SISTERS    New!

Alexander McCall Smith アレグザンダー・マコール・スミス

オフィス用品店で不当解雇と思われる事案が発生。ボツワナで探偵事務所を営むプレシャス・ラモツエが調査に乗り出したところ、DVで離婚した最初の夫が突然町に現れ、さらに、同じラモツエ姓をもつ、顔もプレシャスそっくりの看護師に出会い……。“サバンナのミス・マープル”ことボツワナの女探偵ミス・ラモツエを主人公とするNo.1レディーズ探偵社シリーズの第18作。

 

  1. 9. IN THIS MOMENT    New!

Karen Kingsbury カレン・キングズベリー

バクスター家の人々を主人公にした人気シリーズの第26作。生徒たちの荒れた生活態度に悩まされていたハミルトン・ハイスクールの校長ウェンデル・クインは、コミュニティーの改善を願う一心で、放課後に聖書の勉強会を始めた。1年後、めざましい効果が見られたが、公立学校の関係者による宗教活動が問題視され、訴訟問題に発展する。窮地に立たされたクインは、ルーク・バクスタ―に弁護を依頼する。

  1. 10. UNCOMMON TYPE    Down

Tom Hanks トム・ハンクス

内戦で祖国を追われ、ニューヨーク市にやって来た移民の男。ボウリングでパーフェクトスコアを出しつづけ、セレブにまでのぼり詰めた男。変わり者の億万長者とその忠実な秘書。17の心あたたまる物語をまとめた短編集。

 

【まとめ】

今週は、6作が新たにランクインしました。堂々1位に登場した、『アウトロー』、『ネバー・ゴー・バック』の映画化でも知られるリー・チャイルドのジャック・リーチャー・シリーズを筆頭に、息の長いシリーズが健闘しています。5位のクライブ・カッスラー&ボイド・モリソンは第10作『水中襲撃ドローン〈ピラニア〉を追え!』(伏見威蕃訳、扶桑社ミステリー)ほかが翻訳刊行されている冒険小説の人気シリーズです。8位アレグザンダー・マコール・スミスのNo.1レディーズ探偵社シリーズもすでに18作目。第4作『新参探偵、ボツワナを騒がす ミス・ラモツエの事件簿4』(小林浩子訳、ヴィレッジブックス)までが翻訳刊行されています。

その他、昨年から長期にわたり本リストでも注目を集めたコルソン・ホワイトヘッドの“THE UNDERGROUND RAILROAD”が、谷崎由依さんの翻訳で邦題『地下鉄道』として早川書房より12月6日刊行予定となっています。

 

  1. 吉井智津(よしい ちづ)

    翻訳者。訳書に『小さなモネ―アイリス・グレース―自閉症の少女と子猫の奇跡』(辰巳出版)など。

    記念すべき第20回目となる大阪翻訳ミステリー読書会(課題書:ロス・マクドナルド『さむけ』)は、今週11月24日の開催です。みなさまのお越しをお待ちしております。ご参加・キャンセル待ちのお問合せは、kanmys_dk@yahoo.co.jpまでお早目にどうぞ。