伯爵 「カーソン、〝階級制度〟の矛盾について考えたことはあるかね?」
執事 「い、いえ、めっそうもございません」
伯爵 「じつは先日、ある本を読んでね。以来、私の頭のなかにはありとあらゆる疑問が渦巻いているのだよ。階級制度とはなんぞや、人種とはなんぞや、産業化とは、はたまた幸福の追求とはなんぞや……。しまいに人類そのものの存在意義までが急に不確かなものに思えてね」
執事 「旦那さまがそんなふうにお考えになるとは……。じつは、わたくしもカズオ・イシグロの『日の名残り』を読んだあとは、執事の存在意義に自信がもてなくなり、しばし呆然とした記憶がございます」
伯爵 「おまえの気持ちはわかるよ。私もこの本を読んでから、頭のなかのもやもやがとれないのだ。80年以上も前に書かれた話なのに、まったく古びた感じがしない。じつに驚異的な作品だ。次回の読書会では、ぜひ、私にここまでの衝撃を与えた作品を課題書にしてもらえないだろうか」
執事 「はい、承りました」
伯爵 「オルダス・ハクスリーの『すばらしい新世界』、翻訳はかの大森望氏だ。いや、最初は軽い感じで読んでいたのだが、後半になるといろいろ考えさせられてね。キーワードは〝ソーマ〟だ」
執事 「はあ、ソーマ、でございますか」
伯爵 「ソーマの甘い罠に溺れてしまいたい、いや、それでは人間の沽券にかかわると、私のあたまのなかはもうソーマでいっぱいだ」
執事 「わたくしも拝読するのが楽しみになってまいりました。階級制度の矛盾について、人類の存在意義について、そのソーマとやらについて、ぜひ、みなさまのご感想をうかがいたく存じます」
伯爵 「ソーマ、ソーマ、ソーマ、わっしょい、わっしょい、わっしょい!」
執事 「……(旦那さま、なぜ「わっしょい」なのかわかりかねます……)」


課題書は昨年、ハヤカワepi文庫から新訳が刊行された『すばらしい新世界』(オルダス・ハクスリー、大森望訳)です。

すべてを破壊した〝九年戦争〟の終結後に、暴力を排除し、共生・個性・安定をスローガンとする清潔で文明的な世界が形成され、人間は受精卵の段階から選別され、5つの階級に分けられて徹底的に管理・区別されるようになりました。この美しい世界で孤独をかこっていた青年バーナードは、休暇で出かけた保護区で野人ジョンに出会います……。
すべてのディストピア小説の源流にして不朽の名作、新訳版!!

じつは、本読書会の世話人ふたり、恥ずかしながらSF初心者です。
ですからリピーターのかたはもちろん、SF初心者の方も、読書会はじめての方も、どうぞ安心してご参加くださいませ。

開催日   2018年2月18日(日)
場所    渋谷駅/表参道駅近くの会議室(お申し込みくださった方に直接、連絡いたします)
時間    午後2時開場 2時30分開始 4時30分終了(その後、懇親会の予定あり)
課題作   『すばらしい新世界』(オルダス・ハクスリー/大森望訳/ハヤカワepi文庫)当日までに読了のうえ、ご参加ください。
参加費   500円、学生300円(会場費など)。当日、受付でお支払ください。

*飲み物が必要なかたはご自身でご用意願います。

参加方法  minamitokyo.dokusho@gmail.com まで下記のフォーマットにご記入のうえ、ご連絡ください。また終了後、近辺の店で懇親会を開催します(会費別途、4500円前後)。詳細は参加希望のかたにメールでお知らせします。こちらへの出欠もご記入ください。

お名前(ご本名フルネームまたは著訳書のペンネーム):
ご連先電話番号(携帯可):
区分(該当しないものを消してください):一般/学生
懇親会への参加:希望する/希望しない

 

定員になり次第、募集を締め切らせていただきます。
申し込み受付開始は1月14日(日)午後8時

申し込みメール受信後48時間以内に受付メールをお送りします。送信後48時間以上経過しても受付メールが届かない場合、メールの受信設定を確認のうえ、再度、専用アドレスまでご連絡ください。

南東京読書会世話人 栗木さつき 国弘喜美代(ツイッターアカウント@CholoKimiyo
後援 翻訳ミステリーシンジケート