台湾文学翻訳家の天野健太郎さんが11月12日に膵臓癌のためお亡くなりになりました。享年47。
 天野さんは1971年愛知県三河生まれ。京都府立大学文学部文学科国中文専攻卒業。2000年より国立台湾師範大学国語中心へ留学。そののちは中国語会議通訳、出版翻訳、ビジネス翻訳などで活躍されました。
 台湾書籍の紹介や翻訳企画、出版の仲介をする「聞文堂LLC」の代表、台湾書籍を日本語で紹介するサイト「もっと台湾」の主宰として台湾のことを本を通じて広く知らせる活動にとりくまれ、Twitterアカウント「もっと台湾」でも活発な情報発信をされていました。台湾文化センター「台湾カルチャーミーティング」企画。俳人。
 
 当サイトでは、陳浩基『13・67』(文藝春秋)刊行にあわせ、2017年10月4日づけで紹介記事をご執筆いただきました。同書がその後大いに話題になり、「2017年週刊文春ミステリーベスト10」と「本格ミステリ・ベスト10」の海外篇ではともに第1位、「2018年本屋大賞翻訳小説部門」では第2位と各種ランキング企画で高い評価を得たことはみなさまご存じのとおりです。また最近では11月12日にこの作品が「第6回ブクログ大賞海外小説部門」の大賞を受賞しました。
■2017.10.04 訳者自身による新刊紹介:陳浩基『13・67』(執筆者・天野健太郎)
 
 また『13・67』第6回翻訳ミステリー読者賞を受賞したさいには、本年4月14日に第九回翻訳ミステリー大賞受賞式&コンベンション内でおこなわれた読者賞授賞式に出席され、受賞の喜びを語ってくださいました。

(写真・事務局)

 最新訳書、呉明益『自転車泥棒』(文藝春秋)が刊行されたばかりでした。ここに心よりの哀悼の意を表し、当サイト愛読者の方々に謹んでお知らせ申しあげます。

(翻訳ミステリー大賞シンジケート事務局)