田口俊樹
宣伝めいて恐縮ながら。
すでにこのサイトでも告知のあったことながら。
今月、ローレンス・ブロック氏が来日します。
でもって、ふたつばかり催しをします。
19日19時——池袋『リブロ』にて新刊『償いの報酬』刊行記念講演&インターヴュー&サイン会。熱烈なブロック・ファンの人気作家さんが遠方より飛び入り参加してくださいます。参加申し込みはこちら。
20日18時——新宿文化センター(畳の部屋です)にてファンの集いを開きます。本サイト管理人の杉江松恋さん主催『ブロック酒場』第三弾で、ブロック氏を交えての懇親会です。こっちには翻訳ミステリー界の重鎮、小鷹信光さんが飛び入り参加。詳細は近々、LIVE WIREのサイトで告知される予定です。
(追記——木村二郎さんも飛び入り参加決定)
【10月7日再追記】会場が新宿から「神田 フォーラム・ミカサ・エコ」に変更になりました。詳細は Livewire のサイトをご参照ください。
以上、みなさん、奮ってご参加ください!
(たぐちとしき:ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズ、バーニイ・ローデンバー・シリーズを手がける。趣味は競馬とパチンコ)
横山啓明
ボンジョールノ
今、拙訳『迷宮の淵から』
の舞台のひとつとなった
イタリア、トスカーナ地方の
シエナにいます。
この作品にも描かれていましたが、
ここは食べ物がとても
美味しい地方。
ぶくぶくと太って帰国する
ことになりそうです。
(よこやまひろあき:AB型のふたご座。音楽を聴きながらのジョギングが日課。主な訳書:ペレケーノス『夜は終わらない』、ダニング『愛書家の死』ゾウハー『ベルリン・コンスピラシー』アントニィ『ベヴァリー・クラブ』ラフ『バッド・モンキーズ』など。ツイッターアカウント@maddisco)
鈴木恵
The Film Noir Encyclopedia (フィルム・ノワール事典)なる本は、アメリカ映画しかあつかっていない少々国粋主義的な本なんですが。そこに載っている作品からレンタルDVDで見られるものをリストアップし、未見のものを年代順に見はじめてから1年数か月。ほぼ見終わったところ。
面白かったのは、登場する録音機器の発達。《深夜の告白》と《幻の女》はともに1944年の作品ですが、どちらにもディクタフォンが出てくる。ディクタフォンて、要するにエジソンの発明したあの蝋管式録音機なんですね(→こちら)。へええです。言っちゃなんですが、原理はかなり原始的。でも、時代がくだるにつれてそれがオープンリール式のテープレコーダーになり、75年の作品ではもう留守番電話機が登場する。新しいものが出てくるたびに、お、進化した、とちょっぴり感動。初めてヌードが出てきたときはちょっとドッキリ。
ちなみに、《深夜の告白》の原作はジェイムズ・M・ケインの『殺人保険』。本は入手困難ですが、映画はフィルム・ノワールの傑作とされているので、未見のかたはぜひ。
(すずきめぐみ:文芸翻訳者・馬券研究家。最近の主な訳書:サリス『ドライヴ』 ウェイト『生、なお恐るべし』など。 最近の主な馬券:なし orz。ツイッターアカウント@FukigenM)
白石朗
ペンギン・ブックスといえばペーパーバックの老舗。昔の洋書店などではオレンジの背表紙が目だつ位置にずらりとならんでいました。といっても、ぼくがもっぱらながめていたのは背中が黒や緑のSFやミステリですが。
いまは縁遠くなりましたが、ペンギン・ブックスの愛らしいキャラクターや瀟洒な表紙デザインをあしらったグッズがあれこれ出ているとあって興味再燃。ひとに教えられたこんなショップで見つけたポストカードの100枚セットをAmazon.co.jpで購入してみました。ノンフィクションの青いペリカン表紙も多いのですが、お家芸の文学作品も装幀が楽しい。マードックのほうの『切られた首』の女の人、怖いです。『夜はやさし』がいいなあ。SFとその周辺は5枚。『沈んだ世界』がすてき。
ミステリは少し多くて14枚(ガードナー率高し)。『大いなる眠り』と『書斎の死体』は他のペンギン・グッズでも定番ですが、バークリーの未訳作、エリン『断崖』やセイヤーズ『忙しい蜜月旅行』で「へえ」と思い、翻訳があっても読んだことのないアリンガム「水車場の秘密」とユースティス『水平線の男』に目を引かれました。読んでないといえばピーター・チェイニーの Dangerous Curve (1939)。スリム・キャラハンという私立探偵が主人公のシリーズ作品の2冊めらしいのですが、これ、未訳ですよね?
(しらいしろう:1959年の亥年生まれ。進行する老眼に鞭打って、いまなおワープロソフト「松」でキング、グリシャム、デミル等の作品を翻訳。最新訳書はブラッティ『ディミター』、デミル『獅子の血戦』、ヒル『ホーンズ—角—』、キング『アンダー・ザ・ドーム』など。ツイッターアカウント@R_SRIS)
越前敏弥
ここ数か月、仕事以外の読書がぜんぜんできなくて、映画も1本も観られない日がつづいています。ラーメン屋めぐりもマッサージ屋めぐりも控えめだし、もちろんスカートめ(以下略)。そんななかで唯一の楽しみは、読書探偵コンクールへの応募作文をすべて読ませてもらったこと。まもなく最終選考となりますが、今年も去年に劣らぬ力作を最優秀作品としてご紹介できるでしょう。19日(金)の発表をお楽しみに。作品の掲載はもう少しあとになります。
(えちぜんとしや:1961年生。おもな訳書に『解錠師』『夜の真義を』『Yの悲劇』『ダ・ヴィンチ・コード』など。趣味は映画館めぐり、ラーメン屋めぐり、マッサージ屋めぐり、スカートめくり[冗談、冗談]。ツイッターアカウント@t_echizen。公式ブログ「翻訳百景」 )
加賀山卓朗
お上から指示が出たとたんに、暴れていた人々が急に静かになるとなんだか不思議な感じも……。おそらく統制がとれているというより、いくつかの単語を検索できなくなることが大きいのでしょうね。改めてネットの力を知らされました。
そんな時代なのに、小説の登場人物がネットで何かを要領よく調べるたびにいくらか興ざめしてしまう私。昔の探偵はそれ発見するのに五、六人は訪問してたぞ、と。面白さは充分認めつつも『ミレニアム』に共感しきれなかったのは、それが一因だったと思います(爆)。というわけで(苦)、ケータイもネットも出てこないローレンス・ブロック『償いの報酬』を愉しく読んでいるところ。
(かがやまたくろう:ロバート・B・パーカー、デニス・ルヘイン、ジェイムズ・カルロス・ブレイク、ジョン・ル・カレなどを翻訳。運動は山歩きとテニス)
上條ひろみ
まえにも長屋に書きましたが、レシピつきの本を訳すと、確認のためにレシピを試作し、校了まえの打ち合わせで編集者さんに試食してもらうことがあります。ジョアン・フルークのお菓子探偵ハンナシリーズ13作目でも、いくつか試作して食べてもらいました。
13作目のタイトルスイーツは「アップルターンオーバー」というミニアップルパイなのですが、これ、すごく簡単に作れて、ほんとにおいしいんですよ。編集Y嬢も「上條さん、これ売れますよ!」とコーフンしながら食べてくれて、お代わりもしてくれました。売れますよ、って、ハンナはこれを売ってるんだよ〜。でもうれしい。ハンナの気持ちがわかりました。本のほうも売れるといいな〜。
ちなみに、9月25日のブロック酒場で一部の方たちに試食してもらったのは「モカナッツ・バターボール」です。試食してくださったみなさま、ありがとうございました。こちらはインスタントコーヒーと刻んだナッツ入りの、ソフトタイプのココアクッキーで、これも作り方はすごく簡単。
アメリカのお菓子はとにかく甘い!と思っていらっしゃる方、ハンナのレシピは(とくに最近のものは)それほど甘すぎず、日本人の口にも合うと思いますので、ぜひレシピを見て作ってみてください。バターや砂糖の量がすごいと思っても、分量を半分や四分の一にして作ればそれほどでもありませんよ。クッキーなんかはとくに簡単に作れます。
いずれのスイーツも、レシピは10月20日ヴィレッジブックスより発売のシリーズ13作目『アップルターンオーバーは忘れない』に載っていますので、よろしく! 宣伝ですみません。
(かみじょうひろみ:神奈川県生まれ。ジョアン・フルークの〈お菓子探偵ハンナ・シリーズ〉(ヴィレッジブックス)、カレン・マキナニーの〈朝食のおいしいB&Bシリーズ〉(武田ランダムハウスジャパン)などを翻訳。趣味は読書とお菓子作り)