1位 スティーグ・ラーソン『ミレニアム』三部作(ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳/早川書房)
2位 ベンジャミン・ブラック『ダブリンで死んだ娘』(松本剛史訳/ランダムハウス講談社文庫)
3位 ジョン・ハート『川は静かに流れ』(東野さやか訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)
4位 アルトゥーロ・ペレス・レベルテ『戦場の画家』(木村裕美訳/集英社文庫)
5位 デニス・ルヘイン『現代短篇の名手たち1 コーパスへの道1』(加賀山卓朗・他訳/ハヤカワ文庫)
6位 チェルシー・ケイン『ビューティ・キラー2 犠牲』(高橋恭美子訳/ヴィレッジブックス)
7位 リー・チャイルド『前夜』(小林宏明訳/講談社文庫)
8位 ジェフリー・アーチャー『誇りと復讐』(永井淳訳/新潮文庫)
9位 オレン・スタインハウアー『極限捜査』(村上博基訳/文春文庫)
10位 アンデシュ・ルースルンド&ペリエ・ヘルストレムの『ボックス21』(ヘレンハル メ美穂訳/ランダムハウス講談社文庫)
時期的に、まだ“暫定”10本です。なにか大事な作品を忘れているのではないかと思うのだが、思い出せない。
1位の『ミレニアム』は不動でしょう。いかに凄いかは、第三部の『眠れる女と狂卓の騎士』の解説に書きました。
2位は意外かもしれませんが(というか、みなさんノーマークでしょうね)、これはロス・マクドナルドがもしも現在生きていて、リュウ・アーチャーものを書かないでいたらどんなミステリになっていたのか、ということを考えさせる傑作。
3位は今年のベスト1! と思っていた小説。1位と2位の出現で、3位になりました。詳しくは帯をお読みください。
4位と5位も、本来ならベスト3クラス。登場人物ほとんど3人という4位は密室劇として圧倒的。5位は収録されている短篇がみな出来が鮮やか。とくに戯曲「コロナド——二幕劇」が素晴らしいですね。
6位は、今年いちばんの変化球かもしれない。これほど“変態”の二文字が似合うサイコ&警察ものは珍しい。
7位は、わが最愛のシリーズの一冊。翻訳紹介が途絶えないことを祈るだけ。
8位は、近年のアーチャーのベスト1。本来ならもっと上に置いてしかるべきなのだが、ことしはレベルが高いのでわりをくったかな。
9位も、わりをくったくちか。本来ならベスト5に軽く入る作品である。
10位は、北欧ミステリのレベルの高さをみせつけた秀作。このシリーズも楽しみ。