『最終謀略』(上・下)/Tom Clancy’s Op-Center: War of Eagles

トム・クランシー & スティーヴ・ピチェニック(Tom Clancy & Steve Pieczenik)

/伏見威蕃・訳

新潮文庫/定価:本体各590円(税別)/

ISBN:上巻=978-4-10-247241-5 下巻=978-4-10-247242-2

 大好評の軍事謀略シリーズ、ついに完結!

 アメリカ到着目前の中国船籍貨物船が爆発した。積荷はなんと中国人不法労働者——。その直後、南アフリカのサトウキビ工場、さらに台北のナイトクラブが続けて爆破された。オプ・センターのフッド長官は事件の関連性を調査していたが、いきなり大統領に呼ばれ、何の前触れもなく大統領特使に任命される。これではオプ・センターの長官職を解任されたも同然。新長官には、米軍初の女性中将が就任するが、これは軍の圧力によるものか?

 一方、中国では多国籍企業の参加により、原子炉を搭載した新型通信衛星ロケットの打ち上げ準備が進められていた。しかしその陰で、発射時を狙ったロケット爆破計画が発覚。いったい誰が、何を企んでいるのか? 特使となったフッドは、早速大統領令で北京へと飛び、中国首相と接触して情報収集を始める。孤軍奮闘するフッドは邪悪な陰謀を阻止できるのか。打ち上げのカウントダウンは始まっていた!

 フッドとオプ・センターの運命は……。

『ロンドン・ブールヴァード』/London Boulevard

ケン・ブルーエン(Ken Bruen)

/鈴木恵・訳

新潮文庫/定価:本体705円(税別)

ISBN:978‐4‐10‐217441‐8

 <ノワールの詩人>が映画『サンセット大通り』に着想を得て描く凶悪の隘路!

 ミッチェルは3年の刑期を終えて、出所した。案の定、かつてのギャング仲間が棲み処を提供してくれたうえ、ヤバい仕事をあれこれと世話してくる。その一方で、彼は偶然出会った女性ジャーナリストのサラから、伯母である大女優リリアン・パーマーの屋敷で雑用をこなすことを依頼される。執事のジョーダンは、リリアンに屈折した愛情を注いでおり、彼女がミッチェルを“独占”できるよう、何かと骨を折る。

 ミッチェルはリリアンとねんごろになりはしたものの、ギャングのボスに刃向かったことも手伝って、血と怨念の渦巻く危険な道へと送り込まれる——。

 本書を原作とする映画はすでにクランク・アップ。キーラ・ナイトレイがリリアンを、コリン・ファレルがミッチェルを演じるとあって、こちらも見逃せない。

 なお、著者サイドに確認したうえで、著者名の表記を“ブルーウン”から“ブルーエン”に変更した。読者のみなさん、既刊の版元である早川書房さん、どうかご海容のほどを。