『片腕をなくした男』(上・下)/Red Star Rising

ブライアン・フリーマントル(Brian Freemantle)/戸田裕之・訳

新潮文庫/定価:本体各629円(税別)/

ISBN:上巻=978-4-10-216560-7 下巻=978-4-10-216561-4

 チャーリー・マフィン完全復活!

 モスクワの英国大使館の中庭で男の遺体が発見された。顔面は後頭部を至近距離から撃たれた銃弾で消失、右手の指紋も塩酸のようなもので消されていた。そのうえ、左腕までもがない。ロシアへと飛んだ英国情報部員のチャーリー・マフィンは現地当局と捜査を開始するが、ロシア側はギャング間の抗争だとして事件を早々に終結させようとする。そんななか、大使館内で盗聴器が見つかった。館内に二重スパイが存在するのか?

 遺体の身元調査はいっこうに進まない。盗聴器を仕掛けた犯人も、二重スパイも見つけられずにいる。焦るチャーリーをよそに、マスコミはこの事件を大々的に報道し、英露関係の危機が強まっていた。そんな折、必要以上に接触してくるCIA工作員。アメリカは何を企んでいるのか。孤立無援のチャーリーは一世一代の賭けに出ようとするが、その勝算は……。

シリーズの行方を大きく暗示する緊迫の最新作!

 1979年に始まった大好評シリーズも今年で30周年。海外エンタの超定番をどうぞお楽しみください。