女検死官ジェシカ・コラン 死を呼ぶ聖句(上・下)/Unnatural Instinct
ロバート・ウォーカー(著)/瓜生知寿子(訳)
ISBN: 978-4-594-06134-0 ISBN: 978-4-594-06135-7 刊行日:2010/01/30
扶桑社海外文庫 定価各770円(税込)
誘拐・監禁された女性判事をさいなむ悪夢!
戦慄の犯人に迫る検死官の活躍を描くシリーズ第9作
「扶桑社といえば、えげつないサイコ・サスペンス」という黄金時代がありましたねえ。
そのなかから生まれ、ミステリー論壇では話題になることもなく、ついに9作目を数えるのが、この〈女検死官ジェシカ・コラン〉シリーズです。物語は、こんな感じ。
誘拐された女性判事が意識を取りもどすと、全裸にされて腐りかけた死体と向かいあわせに縛りつけられていた!
死体は、かつて彼女が死刑判決をくだし、最近電気椅子にかけられた連続強姦殺人犯。
その父親が、犯人の遺志を実現しようとしているのだ。
FBI検死官ジェシカも捜索に狩りだされるが、判事の遺留品に触れた同僚の心霊捜査官キムの身体に、異変が起こりはじめる。
死体の腐食が感染しているのか?
そこに犯人から手紙が送られてくる……
と、筋立てだけ紹介するとケレン味たっぷりですが、捜査はきわめて正攻法に描かれ、きわめてよくできたサイコ・ミステリーといえます。
ぜひご一読を。