『51番目の密室』/The 51st Sealed Room

早川書房編集部(編

定価1,785円(税込)/ISBN:978-4-15-001835-1

刊行日:2010/05/07/〈ハヤカワ・ミステリ1835〉

伝説のアンソロジーが、今またここに甦る。好評『天外消失』に続いて贈る、短篇ミステリの神髄

「密室を抜け出す方法としては、完全に新機軸のものだと思うんだ」アメリカ探偵作家クラブの月例会の席上、現代最高の密室派ミステリ作家ワゴナーからそう話しかけられた駆け出し作家のマニックスは、そのことをすっかり忘れていた。新聞で、ワゴナーの他殺死体が発見されたという記事を見るまでは。現場は完全な密室で、しかもデスクに向かったままの死体には、首がなかった。現場の状況がワゴナーの考案した最後のトリックと同じであることに気づいたマニックスは、密室のアイデアを頂戴すべく勇んで駆けつけるが……ミステリ業界をネタにしたロバート・アーサーの上記表題作をはじめ、コーネル・ウールリッチ、クレイグ・ライス、クリスチアナ・ブランドらの傑作ぞろい。

【収録作品】うぶな心が張り裂ける(クレイグ・ライス)/燕京綺譚(ヘレン・マクロイ)/魔の森の家(カーター・ディクスン)/百万に一つの偶然(ロイ・ヴィカーズ)/少年の意志(Q・パトリック)/51番目の密室(ロバート・アーサー)/燈台(E・A・ポー&R・ブロック)/一滴の血(コーネル・ウールリッチ)/アスコット・タイ事件(ロバート・L・フィッシュ)/選ばれた者(リース・デイヴィス)/長方形の部屋(エドワード・D・ホック)/ジェミニイ・クリケット事件(クリスチアナ・ブランド)/〈座談会〉短篇の魅力について(石川喬司、稲葉明雄、小鷹信光)

『沈黙の絆』/Skeleton Justice

マイクル・ベイデン(著) リンダ・ケニー(著)/

藤田 佳澄(訳)

ISBN:978-4-15-176302-1/刊行日:2010/05/07

定価945円(税込)/ハヤカワ・ミステリ文庫

ジェイクとマニーが帰ってきた! パトリシア・コーンウェル絶賛のベストセラー『永遠の沈黙』シリーズ第2弾

被害者の血が抜き取られる怪事件が連続して起きた。ヴァンパイアとあだなされる犯人の目的は何なのか? 見た目は冴えないが超一流の検屍官ジェイクは真相解明に挑むが、犯人の足取りがつかめないまま、ジェイクとつかずはなれずの付き合いを続ける美人弁護士マニーも事件に巻き込まれてしまう。ふたりはヴァンパイアの魔手から逃れられるのか?

ベストセラー『永遠の沈黙』の名コンビが帰ってきた! ロマンスとサスペンスが絶妙にからみあうシリーズ待望の第二弾。

『さよならまでの三週間』/Three Weeks to Say Goodbye

C・J・ボックス(著) /真崎 義博(訳)

ISBN:978-4-15-177902-2/刊行日:2010/05/07

定価987円(税込)/ハヤカワ・ミステリ文庫

我が子を守るため命を賭して闘う男。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞の『ブルー・ヘヴン』につづく感動作。

『ザ・ロード』/The Road

コーマック・マッカーシー(著)/黒原 敏行(訳)

ISBN:978-4-15-120060-1/刊行日:2010/05/21

定価840円(税込)/ハヤカワepi文庫

ヴィゴ・モーテンセン主演映画化 今夏公開全国ロードショー

空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。そのなかを父と子は、南への道をたどる。掠奪や殺人をためらわない人間たちの手から逃れ、わずかに残った食物を探し、お互いのみを生きるよすがとして——。

世界は本当に終わってしまったのか? 現代文学の巨匠が、荒れ果てた大陸を漂流する父子の旅路を描きあげた渾身の長篇。ピュリッツァー賞受賞作。

解説:小池昌代