『海賊と刺繍女』/THE TENTH GIFT
ジェイン・ジョンソン(Jane Johnson)/最所篤子・訳
集英社文庫/定価980円(税込)/2010年6月18日発売/ISBN978-4-08-760606-5
世界25カ国で刊行。埋もれていた史実が現代に甦る歴史ミステリー大作!
ロンドンで手芸品店を営む36歳のジュリアは、五年越しの不倫関係が破局を迎える際、不倫相手のマイケルから一冊の古書を贈られる。それは『お針子の喜び』という刺繍の教本……のはずだったが、マイケルは誤った一冊を渡してしまう。その古書には17世紀英国コーンウォールからバルバリア海賊に拉致されてモロッコへと渡った、刺繍の得意な美少女キャサリンの数奇な運命が、彼女の手によって日記のように書き込まれていた。海賊船での劣悪で過酷な航海、モロッコの奴隷市場での辱め、一緒に捕らわれた家族や友人との別れ……。それでも刺繍の腕を見込まれたキャサリンは、生き延びていくのだった。一方、ロンドンのジュリアの周囲では不穏な出来事が続く。彼女は逃げるようにモロッコに旅立つが、その地で一人の男性と出会ったことで、彼女を取り巻く人々との不思議な因縁が明らかになるのだった……。
著者ジェイン・ジョンソンは編集者としてトールキンの作品等を刊行。その後、ベストセラーとなった映画『ロード・オブ・ザ・リング』のビジュアル本のほか、児童向けファンタジーを3作刊行している。本書は著者自身の先祖の伝説がもとに描かれている。また本書に登場する山、<獅子の頭>は、愛のパワースポットとして、世界中の恋愛成就や関係修復を願う男女が訪れているのだとか。
『放火 コクウィットラム連邦警察署ファイル』/What Burns Within
サンドラ・ラタン(Sandra Ruttan)/中井京子・訳
集英社文庫/定価980円(税込)/6月18日/ISBN978-4-08-760605-8
バンクーバーの近郊で放火、レイプ、少女誘拐の連続事件が同時発生。放火現場では誘拐された少女たちが続けて発見され、レイプ事件は放火当日に起こる。しかもレイプ被害者たちには、夫か恋人が消防士という共通点が。レイプ事件担当クレイグ・ノーラン、放火事件担当アシュリン・ハート、少女誘拐事件担当テインの3刑事は、過去のある事件の痛手から互いに連絡を絶っていたのだが、町の暗部と過去の闇、警察内部の腐敗が絡みあう中、ふたたび一緒に結束し、この難事件に立ち向かうことになる。
犯罪小説の次世代、最有力作家の警察小説シリーズ第一弾。