テッサリアの医師/ The Doctor of Thessaly (2009)
アン・ズルーディ(Anne Zouroudi)/ハーディング祥子訳
定価:790円(税込)/発売日:2010/12/07
「太った男」が遺跡の街へ!シリーズ第3弾
舞台はギリシャ、テッサリア地方。最近母を亡くし、図書館で働く姉ヌーラと二人で暮らしていたクリサはその日、花嫁衣装をまとって悲嘆に暮れていた。結婚式当日に、新郎となるはずのフランス人医師・シャブロルが姿を現さなかったのだ。町の人たちから「婚期を逃した姉妹」とささやかれていたクリサは、やっと出会えた恋人に裏切られたと絶望するが、その後、シャブロルは式の直前に町はずれの教会に何者かから呼び出され、劇薬を目にかけられていたことがわかった。幸い若者・アドニスに発見され、病院に運ばれるが、その途中に遭遇した「太った男」ことヘルメス・ディアクトロスは、シャブロルが警察沙汰にすることを嫌がったため、不信に感じて事件の真相解明に乗り出す。姉の犯行を疑うクリサ、かつての地位をシャブロルに追われた医師、若くやる気に満ちた町長と彼を疎ましく思う町の男たち、クリサを愛する羊飼い、そして年老いた母を介護し続ける給油所の妻……。さまざまな人間の思惑が交錯する中、ヘルメスは意外な事実に辿り着く。
「太った男」ヘルメス・ディアクトロスがギリシャを舞台に活躍するミステリーシリーズ、待望の第3弾。
●アン・ズルーディ公式サイト→ http://uk.annezouroudi.com/
アン・ズルーディ(Anne Zouroudi) 1959年英国生まれ。リーズ大学でロシア語を専攻後、旅行会社に勤務し、ギリシア島に滞在。現在は英国ダービーシア州ピークディストリクトに息子とともに住む。『アテネからの使者』(2007年)でデビュー、08年 ITV3ミステリー賞やデズモンド・エリオット賞にノミネート、注目を集める
ハーディング 祥子 東京都生まれ。早稲田大学第一文学部および英国のクライストチャーチ・カレッジを卒業。現在は日本大学経済学部で非常勤講師をつとめている。