『ディーン牧師の事件簿』/The Mysteries of Reverend Dean

ハル・ホワイト(Hal White)/高橋まり子・訳

創元推理文庫/定価1050円(税込)/1月8日/ISBN:978-4-488-22003-7

八十歳を迎えたのを機に牧師の任を退き、愛犬とともに静かな老後を送るはずだったサディアス・ディーン。そんな彼のもとに、次々と不可解な殺人事件の謎が持ちこまれる。屋敷を相続した五人兄弟を襲う“足跡のない”連続殺人、密室状態のアパートから消えた狙撃者、カリブ海航行中の客船で起きた密室殺人と人間消失、教会で行われた聖餐式の最中の毒殺……元牧師の名探偵ディーン先生が六つの難事件に挑む、不可能犯罪連作短編集。解説=福井健太

『死を騙る男』/The Calling

インガー・アッシュ・ウルフ(Inger Ash Wolfe)/藤倉秀彦・訳

創元推理文庫/定価1365円(税込)/1月27日/ISBN:978-4-488-21703-7

小さな町の平穏は、その殺人で完全に破られた。被害者は末期癌の老女。死体は喉が切り裂かれ、奇妙な細工が施されていた。小さな警察署を署長代理として率いるのは、61歳の女性警部補ヘイゼル。不可解な事実がつぎつぎと明らかになり、やがて事件はカナダ全土へと波及する……。困難を抱えた女署長と、謎に包まれた殺人犯の対決を圧倒的な筆力で描く、迫真の警察小説デビュー作。

『五番目のコード』/The Fifth Cord

D・M・ディヴァイン(D. M. Devine)/野中千恵子・訳

創元推理文庫/定価987円(税込)/1月27日/ISBN:978-4-488-24007-3

スコットランドの地方都市で、帰宅途中の女性教師が何者かに襲われ、殺されかけた。この件を発端に、街では連続して殺人が起こる。現場に残された棺のカードの意味とは? 新聞記者ビールドは、警察から事件への関与を疑われながらも犯人を追う。街を震撼させる謎の絞殺魔の正体と恐るべき真意とは──読者を驚きの真相へと導く、英国本格の巧者ディヴァインの屈指の傑作が甦る。解説=中辻理夫

『死をもちて赦されん』/Absolution by Murder

ピーター・トレメイン(Peter Tremayne)/甲斐萬里江・訳

創元推理文庫/定価1260円(税込)/1月27日/ISBN:978-4-488-21815-7

アイオナ派かローマ派か。ウィトビアで歴史的な教会会議が開かれようとしていた。だが、会議を前にアイオナ派の有力な修道院長が殺害された。調査にあたるのはアイオナ派の若き美貌の修道女“キルデアのフィデルマ”。ローマ派から選ばれたサクソン人の修道士とともに、事件を調べ始めるが……。フィデルマの名を世に知らしめることになる大事件と、後に良き相棒となるエイダルフとの出会いを描いた、ファン待望の長編第一作ついに登場。