『感謝祭の勇敢な七面鳥』/Turkey Day Murder

レスリー・メイヤー(Leslie Meier)/高田惠子・訳

創元推理文庫/ 定価966円(税込)/7月9日/ISBN: 978-4-488-24809-3

週刊新聞の記者として、(ニワトリの)大量殺戮犬の聴聞会の取材をしていたルーシーだったが、そこで知った町の行政委員会の実態に怒り爆発。犬の飼い主が先住民だからって差別されていいのか。さらに先住民部族の一部がティンカーズコーヴにカジノ建設を計画していることが判明。そして殺人が! 大学に行っている長男の久々の帰宅と、感謝祭ディナーの準備で大忙しのルーシーが、空の巣症候群になやまされつつ事件に立ち向かう。

『ライヘンバッハの奇跡』/The Shadow of Reichenbach Falls

ジョン・R・キング(John R. King)/夏来健次・訳

創元推理文庫/定価1323円(税込)/7月9日/ISBN:978-4-488-29303-1

のちに幽霊狩人として知られる若き日のトマス・カーナッキは、美しい女性アンナ・シュミットに出会い、ともにライヘンバッハの滝へ赴くことに。そこで彼らは、滝の上で二人の男が争い、片方が突き落とされるのを目撃する。川を流れてきた男は一命をとりとめたが、記憶を失っていた。そんな彼らに迫りくる謎の男の影……。ホームズの大空白期間を埋める、二大探偵夢の共演の物語。解説=北原尚彦

『背後の足音』上下/Steget Efter

ヘニング・マンケル(Henning Mankell)/柳沢由実子・訳

創元推理文庫/定価各1260円(税込)/7月21日/ISBN:(上)978-4-488-20912-4(下)978-4-488-20913-1

夏至前夜、三人の若者が公園でパーティを開いていた。十八世紀の服装、料理、ワイン。彼らをうかがう目があるとも知らず……。イースタ警察署に娘を捜してくれという母親の訴えが出された。夏至前夜に友人と出かけて以来、行方がわからないというのだ。捜査会議を招集したが、刑事の一人が無断で欠席した。几帳面なはずの人物がなぜ? 不審に思ってアパートを訪ねたヴァランダーの目の前に、信じられない光景が。シリーズ第七弾。解説=小山正

『四人の署名【新訳版】』/The Sign of Four

アーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)/深町眞理子・訳

創元推理文庫/定価651円(税込)/7月27日/ISBN:978-4-488-10119-0

自らの頭脳に見合う難事件のない日々の退屈を、コカインで紛らわせていたシャーロック・ホームズ。そんな彼のもとに、美貌の家庭教師メアリーが奇妙な依頼を持ちこんできた。父が失踪してしまった彼女へ、毎年真珠を送ってきていた謎の人物から呼び出されたという。不可解な怪死事件、謎の〈四の符牒〉、息詰まる追跡劇、そしてワトスンの恋……。忘れがたきシリーズ第2長編。解題=戸川安宣/解説=紀田順一郎

『野兎を悼む春』/Red Bones

アン・クリーヴス(Ann Cleeves)/玉木亨・訳

創元推理文庫/定価1365円(税込)/7月27日/ISBN:978-4-488-24507-8

シェトランド署のサンディ刑事は、帰省したウォルセイ島で、祖母ミマの遺体の第一発見者となってしまう。ウサギを狙った銃に誤射されたように見えるその死に、漠然とした疑惑を抱いた上司のペレス警部はサンディとふたりで、彼の親族や近くで遺跡を発掘中の学生らに接触し、事情を探ることに……濃密な人間関係を有する小さな島で起きた死亡事件の真相は? 現代英国ミステリの珠玉〈シェトランド四重奏〉第三章。解説=三橋曉