生、なお恐るべしThe Terror of Living (2011)

 アーバン・ウェイト(Urban Waite)/鈴木恵訳

 税込価格(2011/08/10 19:53時点):820円/2011年07月28日発売


「どえらい小説だ。弛緩をまったく知らない」

——スティーヴン・キング

隘路の果てに流るるは血か涙か——。

戦慄の新星がシアトルに現れた!

 キャリア20年の運び屋ハントは、ヘロインの受け渡し現場を保安官補ドレイクに発見され、逃亡する。失敗の償いとして新たな受け渡しを引き受けるが、そこには嗜虐的な“調理師”グレイディが差し向けられていた。かくして、ハントの妻ノーラを間に挟み、三つ巴の死闘が始まる——。

 執筆当時は20代だったことが信じられない人物造型。息をもつかせぬ追跡劇。目をそむけたくなる暴力の連鎖。これは静謐な米加国境を舞台に繰り広げられる鮮烈な犯罪小説です。

 アーバン・ウェイトは1980年、イタリアとウェールズの混血の父と、メキシコ人の母の間に生まれました。12歳でバイク・ショップの床掃除を始め、苦学の末に三つの大学で学位を取得。雑誌に掲載された短編がジェイムズ・エルロイのエージェントの目に留まり、本年、本作でデビューしました。次作Dead if I don’t も引き続き新潮文庫から刊行の予定。コーマック・マッカーシー、ドン・ウィンズロウ、トム・ロブ・スミスといった先達のエッセンスを見事に消化したその才能にぜひご注目ください。

アーバン・ウェイト公式サイトhttp://urbanwaite.com/

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