『夜を希(ねが)う』/Envy the Night

マイクル・コリータ(Michael Koryta)/青木悦子・訳

創元推理文庫/定価1008円(税込)/10月8日/ISBN:978-4-488-11703-0

【LAタイムズ最優秀ミステリ賞受賞作】

「デヴィンが戻ってくる」──父の友人から連絡を受け、フランクは人里離れた氾濫湖へ向かう。父を裏切った男を殺すために。だが途中で車の衝突事故を起こしてしまう。相手の男は、謎の美女とデヴィンのキャビンに滞在していた。さらにデヴィンが何者かに銃撃されたという情報が入る。予想外の方向へ疾走する復讐の行方、そして断片的に綴られたある人物の心理描写(モノローグ)が最後に示す、父親の死の真相とは? 解説=三橋曉

『コージー作家の秘密の原稿』/Death of a Cozy Writer

G・M・マリエット(G. M. Malliet)/吉澤康子・訳

創元推理文庫/定価1155円(税込)/10月8日/ISBN:978-4-488-22103-4

【アガサ賞最優秀処女長編賞受賞作】

裕福で年老いた大人気コージー作家のエイドリアンが、子どもたちに結婚式の招待状を送りつけてきた。この結婚でまた遺言書が変わるのかと当惑する子どもたち。屋敷に集まった彼らに父親が予想外の事実を告げた翌朝、相続人候補がひとり減ることに。だれもがあやしい殺人事件に挑むセント・ジャスト警部の推理の行方は? 皮肉の効いた筆致が光る、アガサ賞受賞のシリーズ第一作。

『天使のテディベア事件』/The False-Hearted Teddy

ジョン・J・ラム(John. J. Lamb)/阿尾正子・訳

創元推理文庫/定価1050円(税込)/10月21日/ISBN:978-4-488-26405-5

美人の愛妻とともにテディベア・ショーに参加したブラッドリー。今回は妻の自信作だけでなく、なんと自らが製作したダーティーベアリーも出展するのだ。そんな晴れ舞台の直前、暴力夫から救った女性がなんと有名な“にっこり天使のテディベア”の作家だったことが判明。だがその愛らしいクマの姿に似合わず、彼女の周囲にはなんだか険悪な空気がただよっている。好評、テディベア大好き元刑事と愛妻のおしどり探偵シリーズ第二弾。

『三本の緑の小壜』/Three Green Bottles

D・M・ディヴァイン(D. M. Devine)/山田蘭・訳

創元推理文庫/定価1155円(税込)/10月28日/ISBN:978-4-488-24008-0

ある日、友人と遊びにいった少女ジャニスは帰ってこなかった──。その後、ジャニスはゴルフ場で全裸死体となって発見される。有力容疑者として町の診療所勤務の若い医師が浮上したものの、崖から転落死。犯行を苦にしての自殺と目されたが、また少女が殺されてしまう。危険を知りながら、なぜ犠牲に? 真犯人への手掛かりは意外にも……。英国本格の名手、待望の本邦初訳作。

『緋色の楽譜』上下/Die Dunklen

ラルフ・イーザウ(Ralf Isau)/酒寄進一・訳

東京創元社(単行本)/定価各2100円(税込)/10月28日/ISBN:(上)978-4-488-01337-0 (下)978-4-488-01338-7

長い眠りからさめたリストの自筆の総譜。その演奏を聴いた天才ピアニストにして豊かな共感覚の持ち主サラ・ダルビーは、母から譲り受けたペンダントに刻まれているものと寸分違わぬモノグラムが目の前に浮かぶのを見た。さらに続いて現れた衝撃的な一篇の詩が、サラを嵐のただ中に投げ込む。何者かがリストの楽譜を奪おうと、サラの命を執拗に狙う。エンデに続く現代ドイツ文学の旗手が贈る、きらびやかな謎と音楽に満ちたミステリ。

『チェット、大丈夫か?』/Thereby Hangs a Tail

スペンサー・クイン(Spencer Quinn)/古草秀子・訳

東京創元社(単行本)/定価各1785円(税込)/10月28日/ISBN:978-4-488-01340-0

名探偵コンビ、バーニーと相棒犬チェットは伯爵夫人の愛犬プリンセスのボディガードとして雇われたが、チェットのちょっとした(?)失敗で即クビ! 美味しそうなベーコンビッツをプリンセスから横取りしただけなのに……。まあ、その時プリンセスをつきとばしたかもしれないが……。その後、飼い主も犬も誘拐され、取材中のバーニーの恋人の新聞記者が失踪という思わぬ展開に。いったい何が起きたのか? チェット、大丈夫か?