みなさん、はじめまして。

原書房より4月10日に創刊しました「コージーブックス」の編集担当Aです。

「え? 原書房がコージーを?」と思われた読者の方も多いかもしれません。原書房というと、本格ミステリや軍事もの、人文書のイメージが強いようですが、女性向けでは「ライムブックス」というロマンス文庫があります。コージーブックスは、そのライムブックスの姉妹文庫として誕生した、日本初のコージーミステリ専門文庫。あ、もちろん「日本初」というのは「コージーの専門としては初」という意味で、昔からたくさんの版元さんがコージーミステリを出版されていますね。そのなかで弊社は後発になりますが、なにとぞお手柔らかにお願いします。

すでにこちらのシンジケートさんではたくさんのコージーミステリが紹介されていますので、どんなジャンルかはみなさんよくご存じのはず。なのでいまさらですが、ものすごーくざっくりコージーミステリをご説明すると(ジャンルの細かい定義はさておき)

・田舎の村など、狭い範囲で事件が起きる

・ほのぼのとした雰囲気(人は死ぬけど)

・気楽に読める

・残虐な場面が(ほとんど)ない

というミステリで、読者の9割が女性です。ハードボイルドや本格ファンの方からは「そんな軟派なミステリは読まん!」などと言われてしまいそうですが、いえいえ、読むとハマりますよ。ぜひ一度、お茶やお菓子を用意して、コージーをご堪能ください。

またコージーミステリは、主人公の趣味や職業、物語の舞台設定によって、たとえば「グルメ系」「動物系」「ヒストリカル系」などと分類されます。コージーブックスでは、そのなかでも人気のあるグルメ系コージーを中心にご紹介していく予定。

4月の創刊号は、チーズ専門店を舞台にした『チーズ専門店? 名探偵のキッシュをひとつ』、食料雑貨店を営むかたわら養蜂も勉強中の主人公が活躍する『はちみつ探偵? ミツバチたちのとんだ災難』と、グルメ系コージーが2点。それぞれチーズ(&ワイン)やはちみつについて、豆知識やレシピがたっぷり登場します。読み終わったあと、デパ地下に行きたくなること間違いなし、です!

そんなグルメ系コージーを編集していると楽しいけれど、悩みはただひとつ……体重増加(泣)。これから発売する5月刊にいたってはドーナツ専門店が舞台のシリーズ(『ドーナツ事件簿? 午前二時のグレーズドーナツ』)なので、校了までに何度ミスドに走ったことか! 食べたポン・デ・リングは2桁はいっているはず。でもいいんです、取材です、取材。でもあれ? このセリフ、どこかで聞いたことがあるなと思ったら、同書の訳者あとがきで、翻訳者の山本やよいさんが同じようなことをおっしゃっていました。ぜひ、あとがきもチェックしてみてくださいね。ちなみにコージーブックスでは、食いしん坊と思われる(失礼!)翻訳者さんにお願いしているので、どれも美味しそうに訳していただいていますよ。

というわけで、創刊したばかりのコージーブックス。末永くお付き合いいただければ嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。