『皇帝のかぎ煙草入れ【新訳版】』/The Emperor’s Snuff-Box

ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)/駒月雅子・訳

創元推理文庫/定価777円(税込)/5月19日/ISBN:978-4-488-11832-7

フランスの避暑地ラ・バンドレットに暮らす若い女性イヴは、婚約者トビイの父サー・モーリス殺害の容疑をかけられる。夜更けの犯行時には現場に面した自宅の寝室にいた彼女だが、部屋に忍びこんだ前夫ネッドのせいでアリバイを主張できない。完璧な状況証拠も加わって、イヴは絶体絶命の窮地に追いこまれる──。「このトリックには、さすがのわたしも脱帽する」とアガサ・クリスティをして驚嘆せしめた、巨匠カー不朽の本格長編。解説=戸川安宣

『新人警官の掟』上下/Stalker

フェイ・ケラーマン(Faye Kellerman)/吉澤康子・訳

創元推理文庫/定価各1029円(税込)/5月30日/ISBN:(上)978-4-488-28219-6(下)978-4-488-28220-2

ピーター・デッカーと先妻の娘シンディは苦しんでいた。父の猛反対を押し切って警官になったものの、警部補を父にもちアイビーリーグ出身でエリート気取り、おまけに鼻っ柱が強いとなれば、上司や同僚には好かれるはずもない。そんなある日、シンディは部屋に置いてあった写真立ての位置が違っていることに気づく。思い違い? それとも誰かが部屋に侵入したのか。だが事態はそれだけではすまなかった。《リナ&デッカー》に新展開。

『心のナイフ』上下/The Knife of Never Letting Go

パトリック・ネス(Patrick Ness)/金原瑞人・樋渡正人・訳

東京創元社(単行本)/定価各1995円(税込)/5月30日/ISBN:(上)978-4-488-01345-5(下)978-4-488-01346-2

ぼくはトッド・ヒューイット。もう少しで大人になる。ぼくが住んでいるのはこの新世界でただひとつの町。そこには男しかいない。男たちはノイズを撒き散らし、互いの考えがすべて筒抜けなのだ。ある日町はずれの沼地で、ぼくはノイズのない存在に出会った。これは何? 異様な迫力、胸締めつけられる感動、尽きせぬ謎。ビッグタイトルを独占した〈混沌の叫び三部作〉第一弾、ガーディアン賞、ブックトラスト・ティーンエイジ賞受賞。解説=桜庭一樹