天使のゲーム(上下)El juego del 〓ngel (2008)

カルロス・ルイス・サフォン Carlos Ruiz Zaf〓n/木村裕美訳  

定価:上=945円、下=872円(税込)/発売年月日:2012年7月20日

ISBNコード:上= 978-4-08-760646-1、下= 978-4-08-760647-8

本にこめられた作家の魂をめぐるミステリー

 1920年代、バルセロナ。新聞社の使い走りだった少年時代に作家になるチャンスをつかんで以来、10年間、生活のために出版社が求める娯楽作品を書き続けてきたダビッド・マルティン。友人でやはり作家のペドロ・ビダルは富豪の御曹司で、ダビッドが苦境に立たされると何かと助けてくれる存在だ。ある日、ビダルの秘書クリスティーナ・サニエーがこっそりと訪ねてきて、ビダルには内緒で彼の原稿の手直しをして欲しいと頼む。クリスティーナへの想いから、書き直しを始めるダビッド。そんなとき、以前から賞賛の手紙をよこしてきた謎の編集者アンドレアス・コレッリとついに対面する。1年間、コレッリが求める作品を執筆するかわり多額の契約金を支払うと提案されるが、その場では一笑に付して断る。しかしその後、憧れていたクリスティーナがビダルと婚約したり、本当に表現したいものをと力をこめて書き上げた作品が酷評されたり、いっぽうで自分が手を入れたビダルの作品が批評家から絶賛されたりと、ダビッドにとって辛い日々が続く。迷った末に、コレッリの仕事を引き受けることに決めるが、その後、不可解な出来事が始まるようになり……。

『風の影』に続いて「忘れられた本の墓場」が登場する文学ミステリ第2弾。

公式サイト http://www.carlosruizzafon.com/