『ミステリーズ!』vol.55 OCTOBER 2012

東京創元社(雑誌)/定価1260円(税込)/10月11日/ISBN:978-4-488-03055-1

【読切】

クリスタ・デイヴィス「ピーナツと香水」島村浩子◎訳

●夫婦水入らずの週末を過ごすべく、湖を訪れた妻を待っていたのは──

【エッセイ】

小林宏明 銃の細道——見る、読む、訳すGUNの世界 第二回

【ブックエッセイ】

秋田禎信 私の一冊 『深い疵』ネレ・ノイハウス

白石朗  私はこれが訳したい 第6回 THE NEDDIAD Daniel Pinkwater

【評論】

川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第六回

『ミナの物語』/My Name Is Mina

デイヴィッド・アーモンド(David Almond)/山田順子・訳

東京創元社(単行本)/定価1680円(税込)/10月11日/ISBN:978-4-488-01348-6

あたしの名前はミナ。あたしは夜が大好き。フクロウやコウモリが夜空を飛び、どこかでネコのウィスパーが、月の光でできた影から影へと歩きまわっているだろう。あたし自身があやしげな生きものみたいな気持ち。あたしはミナという名前の女の子だけど、ただの女の子じゃない。そう、ミナはただの女の子じゃない。型にはまらず自由で、喜びに満ちていて……『肩胛骨は翼のなごり』の前日譚。個性的な女の子ミナの羽ばたく心の物語。訳者あとがき=山田順子

『支配人バクスターの憂鬱』/Check-Out Time

ケイト・キングズバリー(Kate Kingsbury)/務台夏子・訳

ここは紳士淑女御用達の隠れ家、ペニーフット・ホテル。いつになく暑い夏ににぎわいをみせるホテルをよそに、支配人バクスターは不機嫌だった。新しいドアマンが、宿泊客になれなれしすぎるのだ。苦言を呈したものの、セシリーはとりあおうとしない。そんなとき、宿泊客のひとりがバルコニーから転落死した。ホテル内で起きた事件にセシリーがおとなしくしているはずもない。堅物の支配人の憂鬱は深まるばかり。人気シリーズ第五弾。 訳者あとがき=務台夏子

『ミステリ作家の嵐の一夜』/Death and the Lit Chick

G・M・マリエット(G. M. Malliet)/吉澤康子・訳

創元推理文庫/定価1155円(税込)/10月30日/ISBN:978-4-488-22104-1

ミステリ作家とその卵、ファンや作家エージェントの交流会である病院到着時死亡(デッド・オン・アライバル)会議。その会期中に、新進女性作家キンバリー・カルダーの成功を祝う出版社主催の宴が古城ホテルで開かれることになった。同業者たちの妬み渦巻く嵐の夜、停電で跳ね橋が動かなくなり半ば孤立した城で惨劇が……。欧米の出版事情をコミカルに描きつつ、巧みに伏線を忍ばせた、傑作犯人探し(フーダニツト)ミステリ。訳者あとがき=吉澤康子