『サンタクロースは雪のなか』/I am Half Sick of Shadows

アラン・ブラッドリー(Alan Bradley)/古賀弥生・訳

創元推理文庫/定価1050円(税込)/11月10日/ISBN:978-4-488-13605-5

クリスマスの季節、あたしはとっておきのサンタクロース捕獲計画を立てている。一方で父は、経済的困窮を打開するため、バックショー荘を映画撮影に貸し出すことにした。屋根修理基金を集めたい司祭がそれに便乗し、大女優に『ロミオとジュリエット』を演じてもらえることにもなった。けれど上演の夜、大雪で屋敷が孤立してしまい……。CWAなど九冠受賞の少女探偵シリーズ。解説=酒井貞道

『暗くなるまで贋作を』/Brush with Death

ヘイリー・リンド(Hailey Lind)/岩田佳代子・訳

納骨堂での壁画の修復中に墓場泥棒に遭遇したアニー。追跡したカリフォルニア大学の院生から、納骨堂内にラファエロの真作がある可能性を告げられる。天才贋作師の祖父がかつて贋造した名画だが、真作はイタリアの国宝で国立古典絵画館所蔵のはず。調査を始めたアニーは訪問先で死体を発見、関係者は次々と意識不明に。贋作師の祖父のもとには優秀な贋作撲滅師の捜査の手がのびる。ミステリもロマンスも目が離せないシリーズ第三弾。訳者あとがき=岩田佳代子

『葡萄色の死』/Dark Vineyard

マーティン・ウォーカー(Martin Walker)/山田久美子・訳

創元推理文庫/定価1155円(税込)/11月29日/ISBN:978-4-488-27310-1

夏の終わりの夜明け前、サンドニの遺伝子組み換え作物の試験場が放火された。村でただひとりの警官にして警察署長のブルーノは、国家警察の刑事に協力し住人への聞き込みを行う。そんな折、村の青年がワイン農場の大きなワイン桶の中で死んでいるのが発見された。事故か? 殺人か? 放火との繋がりは? 心やさしき警察署長は、村の平穏を取り戻すため不可解な事件に挑む! 訳者あとがき=山田久美子

『感謝祭は邪魔だらけ』/The Diva Runs Out of Thyme

クリスタ・デイヴィス(Krista Davis)/島村浩子・訳

創元推理文庫/定価1155円(税込)/11月29日/ISBN:978-4-488-26106-1

アレクサンドリアの町は感謝祭シーズンのまっただなか。古く美しい家並みが残るオールドタウンに暮らすソフィは、食料品の買い出しにいった先で男性の死体を見つけてしまう。さらに翌日、彼女も出場する料理コンテストの会場で、また別の死体を発見することに。感謝祭のおもてなしと殺人事件、難題ふたつに直面し、どうする家事アドバイザー? 期待のコージー・ミステリ第1弾。解説=大矢博子

『世界が終わるわけではなく』/Not the End of the World

ケイト・アトキンソン(Kate Atkinson)/青木純子・訳

海外文学セレクション(単行本)/定価各2205円(税込)/11月29日/ISBN:978-4-488-01654-8

真面目な青年のドッペルゲンガーが、悪さをしながら面白おかしく暮らす話。ふと気がつくと、飼い猫がソファの隣で背もたれに寄りかかって足を組んでテレビを見ていた! しかも飼い主の女性は妊娠に気がつき……等々、12編のゆるやかにリンクする物語集。我々が生きている現実世界はどれほど確実なものなのか……? ウィットブレッド賞受賞作家が読者を時空の歪みに誘う、野心的で遊び心に満ちた、奇妙な味わいの作品集。

『問う者、答える者』上下/The Ask and the Answer

パトリック・ネス(Patrick Ness)/金原瑞人・樋渡正人・訳

東京創元社(単行本)/定価各1995円(税込)/11月29日/ISBN:(上)978-4-488-01349-3(下)978-4-488-01350-9

理由もわからず故郷を追われた少年トッドは、宇宙から来た少女ヴァイオラと共にひたすら逃げた。だがようやくたどり着いたヘイヴンでふたりを待っていたのは、男ばかりの軍隊を率いるプレンティス首長。無理矢理首長の部下にされるトッド。首長の支配に反対する女たちと行動を共にするヴァイオラ。互いを思う心ゆえに苦しむふたりの行く手にはさらに過酷な運命が……。コスタ賞受賞作。ビッグタイトルを独占した驚異の三部作第二弾。