『人形パズル』/Puzzle for Puppets

パトリック・クェンティン(Patrick Quentin)/白須清美・訳

創元推理文庫/定価840円(税込)/3月21日/ISBN:978-4-488-14708-2

時勢ゆえ戦争に駆り出され、海の男になったピーター・ダルース中尉。久方ぶりの休暇を愛妻アイリスと水入らずで、と思いきや、不案内な土地で宿が見つからない、軍服を盗まれる等災難続き。それが序の口だったとわかるのは、アイリスの従姉を訪ね、胸に刺さった短刀を見たときだった。現場にはピーターを犯人に擬する工作が施され、さては軍服の件もその一環かと気づいたが後の祭り。私立探偵コンビの助力を得て逃避行と真相究明が始まった……。謎が謎を呼ぶ、パズルシリーズ第三作。解説=佳多山大地

『悪魔と警視庁』/The Devil and The C.I.D.

E・C・R・ロラック(E. C. R. Lorac)/藤村裕美・訳

創元推理文庫/定価882円(税込)/3月21日/ISBN:978-4-488-21103-5

濃霧に包まれた晩秋のロンドン。帰庁途中のマクドナルド首席警部は、深夜の街路で引ったくりから女性を救った後、車を警視庁に置いて帰宅した。翌日、彼は車の後部座席に、悪魔(メフイストフエレス)の装束をまとった刺殺死体を発見する。捜査に乗り出したマクドナルドは、同夜老オペラ歌手の車に、ナイフと『ファウストの劫罰』の楽譜が残されていたことを掴む。英国本格黄金期の傑作、本邦初訳。解説=森英俊

『青雷の光る秋』/Blue Lightning

アン・クリーヴス(Ann Cleeves)/玉木亨・訳

創元推理文庫/定価1260円(税込)/3月21日/ISBN:978-4-488-24508-5

ペレス警部は婚約者のフランを両親に紹介するべく、ふたりで故郷のフェア島を訪れていた。だが、島のフィールドセンターでひらかれた婚約祝いパーティの直後、センターの職員アンジェラが殺される。折からの嵐でシェトランド本島との交通が途絶したため、単身捜査を開始した警部だが、奮闘むなしくついには第二の殺人が──現代英国ミステリの至宝〈シェトランド四重奏〉最終章。解説=酒井貞道

『冬の生贄』上下/Midvinterblod

モンス・カッレントフト(Mons Kallentoft)/久山葉子・訳

創元推理文庫/定価各1050円(税込)/3月21日/ISBN:(上)978-4-488-25603-6(下)978-4-488-25604-3

凍てついた雪野原。地平線に立つ大木の美しく伸びた枝には、奇妙な物体がぶら下がっていた。百五十キロはありそうな、血だらけの裸の身体。凄まじい暴力のあと、あまりに異常な現場。あたかも古代の異教の神々への生贄のような。リンショーピン市警犯罪捜査課の女性刑事モーリン・フォシュは、この奇怪な事件を調べ始める。英仏でも話題沸騰。美しい北欧の四季を背景に描かれる、スウェーデン・ミステリの新しい才能、ここに登場!