暗き炎(上・下)チューダー王朝弁護士シャードレイク/Dark Fire(2004)
C・J・サンソム(C. J. Sansom)/越前敏弥・訳
各840円(税込)/2013年8月21日発売/
(上巻)ISBN978-4-08-760670-6 , (下巻)978-4-08-760671-3
CWAヒストリカル・ダガー受賞作!
記録的な猛暑に見舞われた16世紀ロンドンを、
幻の「ギリシア火薬」を求めて弁護士シャードレイクが駆け抜ける!
日本全国が超絶な暑さに茹だっている今夏。それでも、エアコンがなければクールビズもない16世紀のロンドンに比べたら、なんて幸せ……と実感できる、納涼歴史ミステリーのご紹介です。
昨夏に刊行した『チューダー王朝弁護士シャードレイク』のシリーズ第2弾。前作ではロンドン郊外の修道院で、寒さと戦いながら殺人事件の真相を暴いた主人公ですが、本作では、経験したことのないような暑さに汗をふきふき、約2週間というタイムリミットのなかで2つの事件に挑みます。
従姉殺しの容疑で監獄に入れられた少女エリザベスの弁護を依頼されたシャードレイク。しかし、少女は黙秘を続け、このままでは拷問による死をまぬがれない運命だった。手掛かりもつかめず途方に暮れるシャードレイクに、少女の審議期間延長と引き換えに、密命が言い渡される——幻の破壊兵器「ギリシア火薬」を入手せよ——。命を下したのは、国王ヘンリー8世の摂政クロムウェル。ある事情から、クロムウェルにはギリシア火薬がどうしても必要だったのだ。
錬金術師をはじめ、ギリシア火薬に関係していると思われる人々が次々とむごたらしい死に遭遇し、自身も命を狙われるシャードレイク。一方、刻々と審議の日が近づいているというのに、獄中の少女は心を閉ざし、沈黙をしたままだった。クロムウェル以外にギリシア火薬を追うのは誰なのか? 黙秘と続ける獄中の少女のみが知る恐ろしい真相とは?
記録的な猛暑に見舞われた1540年のロンドン市内を、暑苦しい法曹着をまとってシャードレイクが駆け抜ける! 前作以上に事件のスケールも、キャラクターの人間性も、謎解きの醍醐味も、さらにはアクション・シーンまで大増量。また前作で若い娘との恋に破れた(逃げられちゃった)シャードレイクが、今回もある女性に惑わされ(懲りないんだから)……。ワイルドで無礼な外見とは裏腹に、優しさと知性をあわせ持つ新助手バラクなる魅力的なキャラクターも加わり、どのページをとっても損はない、読みどころ満載の一冊!
●C・J・サンソム公式サイト→ http://www.cjsansombooks.com/