『ゴッサムの神々 ニューヨーク最初の警官』上下/The Gods of Gotham

リンジー・フェイ(Lyndsay Faye)/野口百合子・訳

創元推理文庫/定価各924円(税込)/8月10日/ISBN:(上)978-4-488-25103-1(下)978-4-488-25104-8

1845年、ニューヨーク。火事で顔にやけどを負ったティムは、創設まもないNY市警察の警官になった。ある夜、彼は血まみれの少女とぶつかる。「彼、切り刻まれちゃう」と口走った彼女の言葉どおり、胴体を十字に切り裂かれた少年の死体が発見される。だがそれは、街を震撼させた大事件の始まりにすぎなかった……。不可解な謎と激動の時代を生き抜く人々を鮮烈に活写した傑作。MWA最優秀長篇賞最終候補作。解説=日暮雅通

『死者の声なき声』上下/Der stumme Tod

フォルカー・クッチャー(Volker Kutscher)/酒寄進一・訳

創元推理文庫/定価各1134円(税込)/8月21日/ISBN:(上)978-4-488-25805-4(下)978-4-488-25806-1

映画が喋りはじめた1930年のベルリンで、将来を嘱望されていた女優が撮影中に痛ましい死を遂げた。事故で片付けようとする上司に反発し、ベルリン警視庁殺人課のはみ出し者ラート警部は、またもや独自に動きだす。刑事としての矜持ゆえ、さらには自らの栄達のため。光と影が交錯する映画界と巨大都市を、ラートは東奔西走するが……。ベルリン・ミステリ賞受賞の傑作警察小説。訳者あとがき=酒寄進一

『本の町の殺人』/Murder Is Binding

ローナ・バレット(Lorna Barrett)/大友香奈子・訳

創元推理文庫/定価1029円(税込)/8月21日/ISBN:978-4-488-21305-3

古書と専門書の書店が軒を連ね、それを目当てに観光客が押し寄せる、読書家の聖地ストーナム。トリシアはストーナムにあるミステリ専門書店の店主だ。ヴィンテージものからベストセラーまで取りそろえたこの店は、彼女の夢が詰まった大切な城。ところが隣の料理書専門店の店主が殺され、高価な料理本の初版が消えた。第一発見者のトリシアは容疑を晴らそうと必死で事件を調べる。本屋だらけの町を舞台にしたライトミステリ第一弾。訳者あとがき=大友香奈子

『永久に刻まれて リディア&ビル短編集』/Once Burned and Other Stories

S・J・ローザン(S. J. Rozan)/直良和美・訳

創元推理文庫/定価945円(税込)/8月29日/ISBN:978-4-488-15313-7

中国系女性のリディアと、中年の白人男性ビル。ふたりの私立探偵がコンビで、あるいは単身で多様な依頼に取り組む日本オリジナル短編集第2弾。地上げに絡む事件にふたりで当たる「永久に刻まれて」、リディアがカリブ海に赴いて若い娘の失踪を調査する「舟を刻む」、ビルが海辺の町で直面する痛ましい悲劇「少年の日」などに加え、リディアの母が主役となる小品や、美術品専門の私立探偵ジャック・リーが活躍する「春の月見」ほか全7編を収録。解説=大矢博子

収録作品=「永久に刻まれて」「千客万来の店」「舟を刻む」「少年の日」「かけがえのない存在」「チン・ヨンユン乗り出す」「春の月見」