『ミステリーズ!』vol.62 DECEMBER 2013

東京創元社(雑誌)/定価1260円(税込)/12月11日/ISBN:978-4-488-03062-9

【特集】

2013ミステリ総ざらい

編集部座談会

相沢沙呼×深緑野分対談

【読切短編】

マーティン・ウォーカー ブルーノとペール・ノエル 山田久美子◎訳

●クリスマス・キャロルが流れるサンドニ村。『黒いダイヤモンド』でおなじみに警察署長ブルーノが大活躍!

【エッセイ】

小林宏明 銃の細道──見る、読む、訳す GUNの世界 第九回

【ブックエッセイ】

結城充考 私の一冊『フランケンシュタイン』メアリ・シェリー

成川裕子 私はこれが訳したい Gulliver Quick Maureen Earl

【評論】

川出正樹 ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション 第十三回

『黒いダイヤモンド』/Black Diamond

マーティン・ウォーカー(Martin Walker)/山田久美子・訳

創元推理文庫/定価1134円(税込)/12月11日/ISBN:978-4-488-27311-8

警察署長ブルーノは友人のエルキュールからある問題の調査を依頼される。トリュフ市に粗悪な中国産トリュフが紛れ込んでいるというのだ。だが聞き込みを始めた矢先、エルキュールが何者かに殺害される。彼はかつて情報部に所属する伝説の秘密警察官(バルブーズ)だった。犯人はその過去を知っていたのか? 圧巻の取材力と緻密な構成、そして驚愕の真相。ベテランジャーナリストが放つ傑作! 解説=松浦正人

『秘密』上下/The Secret Keeper

ケイト・モートン(Kate Morton)/青木純子・訳

東京創元社(単行本)/定価各1890円(税込)/12月21日/ISBN:(上)978-4-488-01008-9(下)978-4-488-01009-6

少女だったローレルは恐ろしい事件を目撃する。突然現われた見知らぬ男を母が刺し殺したのだ。男が「やあ、ドロシー、久しぶりだね」と母に声をかけた直後に。男は母を知っていたし、母も男を知っていた! 彼は誰だったのか? 国民的女優となったローレルは、死期の近づいた愛する母の秘密を探り始めた。彼と母の間に何があったのか? 母の本から落ちた古い写真に写る女性は誰なのか? 『忘れられた花園』の著者が贈る謎の物語。

『年寄り工場の秘密』/The Geezer Factory Murders

コリン・ホルト・ソーヤー(Corinne Holt Sawyer)/中村有希・訳

創元推理文庫/定価1260円(税込)/12月21日/ISBN:978-4-488-20308-5

高級老人ホーム〈海の上のカムデン〉に変化が起きた。長年住んでいたトッツィが、近所にできた老人ホームに引っ越したのだ。三週間後、その彼女がアンジェラとキャレドニアに依頼をする。転居先に出る幽霊の正体を見極めてほしいというのだ。同じ屋根の下にいた縁で……というよりは退屈しのぎが目的で、名物コンビは“潜入捜査”を敢行するが……!? 老人探偵団シリーズ第七弾。訳者あとがき=中村有希

『サイン会の死』/Bookmarked for Death

ローナ・バレット(Lorna Barrett)/大友香奈子・訳

創元推理文庫/定価1134円(税込)/12月21日/ISBN:978-4-488-21306-0

古書と専門書の町、読書家の聖地ストーナム。トリシアはそんなストーナムのミステリ専門書店の店主だ。今日はベストセラー作家ゾウイのサイン会。アシスタントだという姪の態度はひどかったものの、サイン会はなんとか成功のうちに終了した。だがほっとしたのも束の間、姿が見えなくなった主役を探しにいったトリシアが見つけたのは、人気作家の変わり果てた姿だった。本屋だらけの町でおこる事件を描くライトミステリ第二弾。解説=大津波悦子

『翳深き谷』上下/Valley of the Shadow

ピーター・トレメイン(Peter Tremayne)/甲斐萬里江・訳

創元推理文庫/定価各1029円(税込)/12月21日/ISBN:(上)978-4-488-21818-8(下)978-4-488-21819-5

モアン王国の王である兄コルグーがフィデルマに与えた任務は、いまだ古の神々を信奉する“禁忌の谷”に赴き、国王の代理としてキリスト教の学問所を設立するための折衝をして欲しいというものだった。だがサクソン人修道士エイダルフを伴い谷に向かうフィデルマ待ち受けていたのは、惨殺され生贄のごとく並べられた三十三人の若者たちの亡骸だった。七世紀のアイルランドを舞台に、美貌の修道女フィデルマが活躍するシリーズ第6弾。解説=酒井貞道