『両シチリア連隊』/Beide Sizilien

アレクサンダー・レルネット=ホレーニア(Alexander Lernet-Holenia)/垂野創一郎・訳

東京創元社(単行本)/本体価格(2014/09/13 08:27時点)2300円(税抜)/9月12日/ISBN:978-4-488-01036-2

一九二五年、二重帝国崩壊後のウィーン。大戦時に両シチリア連隊を率いたロションヴィル大佐は、娘のガブリエーレとともに元トリエステ総督の催す夜会に招かれた。その席で彼は、見知らぬ男から、ロシアで捕虜となって脱走した末、ニコライ大公に別人と取り違えられたという奇妙な体験談を聞く。そして宴もお開きとなるころ、元両シチリア連隊の将校エンゲルスハウゼンが、邸宅の一室で首を捻られて殺害される。そして六日後、事件を調べていた元連隊の少尉が行方不明となり……。第一次世界大戦後を生き延びた兵士たちが、なぜ今“死”に見舞われるのか。謎に次ぐ謎の果て、明らかとなる衝撃の真相とは。訳者あとがき=垂野創一郎

『刑事たちの四十八時間』/The Black Country

アレックス・グレシアン(Alex Grecian)/谷泰子・訳

創元推理文庫/本体価格(2014/09/13 08:27時点)1300円(税抜)/9月12日/ISBN:978-4-488-19008-8

英国中西部(ブラック・カントリー)の炭鉱の村で、夫婦と幼児が突如失踪した。ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)のディ警部補とハマースミス巡査部長が捜索に派遣されたが、与えられた時間はわずか二日間。地下の坑道のため沈みゆく村を襲う原因不明の奇病、発見された不気味な目玉と血染めのドレス……。謎に次ぐ謎が刑事たちを翻弄する。迷信と因習が残る村の闇と、刑事たちの光がせめぎ合う、ノンストップ警察小説! 解説=川出正樹

『愛の裏側は闇 II』/Die dunkle Seite der Liebe

ラフィク・シャミ(Rafik Schami)/酒寄進一・訳

東京創元社(単行本)/本体価格(2014/09/13 08:27時点)2500円(税抜)/9月20日/ISBN:978-4-488-01033-1

1953年、シリア。片田舎のマーラ村で権勢を誇るムシュタークの一族に生まれたファリードは、村の記憶が深く刻まれた楡の老樹を燃やした罪を着せられ、寄宿制の修道院学校に入れられてしまう。本名を使うことさえ許されず、厳しい労働やリンチ、嫌がらせ、そして孤独に耐えつづける日々。だがそこで、修道士のガブリエルや上級生のブーロスに助けられ、彼らを支えとするようになる。これが、ファリードの人生にとって重大な出会いだとも知らずに。一族の繋がりと運命に翻弄されながらも懸命に成長する少年の姿を描く、今世紀最大級の世界文学第二巻。

『容疑者』/Suspect

ロバート・クレイス(Robert Crais)/高橋恭美子・訳

創元推理文庫/本体価格(2014/09/13 08:27時点)1260円(税抜)/9月20日/ISBN:978-4-488-11505-0

ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九ヶ月半、犯人はいまだ捕まっていない。事件前の決定どおり警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒に出会う。アフガニスタンに従軍し、そこでスコットと同様大切な相棒を失った大型の雌のシェパード、マギーだった。アメリカ探偵作家クラブ生涯功労賞受賞の著者、渾身の大作登場。解説=北上次郎

『大会を知らず』/Bell, Book, and Scandal

ジル・チャーチル(Jill Churchill)/新谷寿美香・訳

創元推理文庫/本体価格(2014/09/13 08:27時点)820円(税抜)/8月21日/ISBN:978-4-488-27520-4

自分たちの町で作家や出版関係者が集まるミステリ大会が開かれると知り、ジェーンは喜び勇んで親友のシェリイと参加することに。大会では憧れの作家に会え、自作の小説を持ち込む機会に恵まれた一方で、新人作家や名物編集者の振る舞いに眉をひそめることにもなる。そして、批評家の失踪を皮切りに事件が続発し……主婦探偵がイベントで起きた現実の事件に挑むシリーズ第14弾。訳者あとがき=新谷寿美香

『沈黙の果て』上下/Am Ende des Schweigens

シャルロッテ・リンク(Charlotte Link)/浅井晶子・訳

創元推理文庫/本体価格(2014/09/13 08:27時点)各1260円(税抜)/9月29日/ISBN:(上)978-4-488-21105-9(下)978-4-488-21106-6

イングランドのヨークシャーにあるスタンバリー・ハウスという古い屋敷。登場人物のひとりが祖父から相続したその屋敷に、仲のよいドイツ人の三家族が集まり楽しい休暇を過ごしていた。そこに現われた謎の男が、自分にも屋敷の相続権があると主張する。彼は何者なのか? 楽しいはずの休暇に怪しい影がさしたと思ううちに、さらにとんでもない事件が……。三組の家族のうちの五人が惨殺死体となって発見されたのだ。いったい何が? 訳者あとがき=浅井晶子