ベント・ロード Bent Road (2011)

 ローリー・ロイ Lori Roy /田口俊樹訳

ISBN: 978-4087606904

集英社: 定価(本体900円+税)

 2012年度エドガー賞処女長編賞受賞作。

 1960年代後半、アメリカ。アーサー・スコットはデトロイトで、妻シーリアと3人の子どもたちと幸せに暮らしていたが、街の治安が日に日に悪化する中、故郷のカンザス州に家族を連れて帰ることにする。そこは、25年前に長姉のイヴが変死して以来、足が遠のいていた場所だった。シーリアは以前から、夫アーサーの実家には家族ぐるみで隠している秘密があるのを感じていたが、カンザスでアーサーの母や次姉と接するうちに、その思いを強める。

 いっぽうで、一家の帰郷からほどなくして、死んだイヴとよく似た少女の失踪事件が起こり、小さな町は震撼する。果たして、同じ犯人が関わっているのか。アーサーの実家の秘密は何なのか。

(解説/吉田伸子)