『禁忌』/Tabu

フェルディナント・フォン・シーラッハ(Ferdinand von Schirach)/酒寄進一・訳

東京創元社(単行本)/本体価格(2015/02/04 17:37時点)1700円/1月10日/ISBN:978-4-488-01040-9

ドイツ名家の御曹司ゼバスティアンは、文字のひとつひとつに色を感じる共感覚の持ち主だった。ベルリンにアトリエを構え写真家として大成功をおさめるが、ある日、若い女性を誘拐したとして緊急逮捕されてしまう。捜査官に強要され殺害を自供し、殺人容疑で起訴されたゼバスティアンを弁護するため、敏腕弁護士ビーグラーが法廷に立つ。はたして、彼は有罪か無罪か——。刑事事件専門の弁護士として活躍する著者が暴きだした、芸術と人間の本質、そして法律の陥穽。2012年本屋大賞翻訳小説部門第一位『犯罪』の著者が「罪とは何か」を問いかけた新たなる傑作。著者による日本版オリジナルエッセイ「日本の読者のみなさんへ」を収録。訳者あとがき=酒寄進一

『模倣犯 犯罪心理捜査官セバスチャン』上下/Larjungen

M・ヨート&H・ローセンフェルト(Michael Hjorth and Hans Rosenfeldt)/ヘレンハルメ美穂・訳

創元推理文庫/本体価格(2015/02/04 17:37時点)各1100円/1月22日/ISBN:(上)978-4-488-19905-0(下)978-4-488-19906-7

かつてセバスチャンが捕えた連続殺人犯の手口に酷似した事件が発生。犯人は服役中のはず。模倣犯の仕業なのか? 凄腕だが自信過剰の迷惑男セバスチャンの捜査が始まる! 訳者あとがき=ヘレンハルメ美穂

『そして医師も死す』/Doctors Also Die

D・M・ディヴァイン(D. M. Devine)/中村有希・訳

創元推理文庫/本体価格(2015/02/04 17:37時点)1000円/1月22日/ISBN:978-4-488-24010-3

診療所の共同経営者を襲った不慮の死は、じつは計画殺人ではないか──市長ハケットからそう言われた医師ターナーは、二ヵ月前に起きた事故の状況を回想する。その夜、故人の妻エリザベスから、何者かに命を狙われていると打ち明けられたこともあり、ターナーは個人的に事件を洗い直そうと試みるが……。英国本格黄金期の妙味を現代に甦らせた技巧派、ディヴァイン初期の意欲作。解説=大矢博子

『アルタイ』/Altai

ウー・ミン(Wu Ming)/さとうななこ・訳

東京創元社(単行本)/本体価格(2015/02/04 17:37時点)2300円/1月29日/ISBN:978-4-488-01039-3

キプロス島にユダヤ人の国を築く……。16世紀のヴェネツィア、コンスタンティノープルを舞台に見果てぬ夢を追い続けた男たちの姿を描く、歴史エンターテインメント巨編。訳者あとがき=さとうななこ

『みんなバーに帰る』/Ablutions

パトリック・デウィット(Patrick deWitt)/茂木健・訳

東京創元社(単行本)/本体価格(2015/02/04 17:37時点)1700円/1月29日/ISBN:978-4-488-01041-6

人はどこまで、ダメになれるのか? 夜ごと繁栄の街・ハリウッドの外れのバーに集結する、ありとあらゆる種類のダメなひとびと。ウィスキー、テキーラ、ビールにコカインが乱舞する夜が明け、そしてまた夜が訪れる……。渇いた文体で活写する、酒に踊り、酒に溺れる人々の酔態、痴態、狂態。『シスターズ・ブラザーズ』が話題を呼んだ、鬼才パトリック・デウィットの驚嘆のデビュー作。つねに誰かが酔っている、泥酔文学の金字塔! 訳者あとがき=茂木健

『バネ足ジャックと時空の罠』上下/The Strange Affair of Spring-Heeled Jack

マーク・ホダー(Mark Hodder)/金子司・訳

創元海外SF叢書(単行本)/本体価格(2015/02/04 17:37時点)各1900円/1月29日/ISBN:(上)978-4-488-01454-4(下)978-4-488-01455-1

【フィリップ・K・ディック賞受賞作】

蒸気機関や遺伝学が著しく発達した、19世紀大英帝国。蒸気馬車が疾走し改造生物がゆきかうロンドンで、王室直属の密偵となった天才探検家バートンは親友の詩人スウィンバーンとともに、帝都を騒がす人狼たちを追う。だが、虚空に現れては忽然と消える謎の怪人「バネ足ジャック」は、そのバートンをなぜか敵視する。彼がバートンや少女たちを襲う理由とは? 伊藤計劃を抑えて2010年度ディック賞を受賞した快作スチームパンク! 解説=堺三保

『偽証裁判』上下/The Sins of the Wolf

アン・ペリー(Anne Perry)/吉澤康子・訳

創元推理文庫/本体価格(2015/02/04 17:37時点)各1000円/1月29日/ISBN:(上)978-4-488-29505-9(下)978-4-488-29506-6

1857年秋、看護婦のヘスターは新聞の広告に応じ、エディンバラの名家の女主人、メアリの旅行の付き添いを請け負った。メアリは心臓に持病を抱えており、薬の飲み忘れは命に関わる。ヘスターは指示通りに薬を飲ませたが、翌朝、彼女はこときれていた。殺人の罪を着せられ起訴されたヘスターの絞首刑を防ぐには、裁判で無実を証明するしかない。緊迫感に満ちた傑作法廷ミステリ! 解説=若林踏